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横浜 リフォーム | 熊本地震をみて、住宅耐震の考え方|港南区 アリキリ 

投稿:常田 豊

 

 

 

横浜 リフォーム | 熊本地震をみて、住宅耐震の考え方|港南区 アリキリ

 

先日の九州熊本の大地震は住まいの

耐震に関して『新たな問題定義』

示された様に感じました。

 

テレビニュースの映像から明らかに

新耐震基準で建築されたと見える

木造住宅やコンクリート造住宅が

壊滅的な被害を受けたことです。

 

 

一点は『耐震の限界』

 

もう一点は『人間が考える事を

超える事が自然界では起きる』

と言う事です。

 

今回は以前から感じている現在の

耐震補強に関して個人的な感想と

 

私の耐震に関しての考え方を

まとめてみました。

 

 

 

 

 

 

1.耐震補強に関しての誤解・・・

 

地震に対する建物の考え方には耐震

制震・免震の3種類があります。

 

『制震』は揺れによる変形エネルギーを

ダンパー等で吸収する方式です。

最近は一般住宅にも採用されています。

 

『免震』は建物と地盤の縁を切って揺れを

逃がして建物に伝えないと言う考えです。

大形の建物に採用されています。

 

戸建ての住宅でも一部有るようですが

一般化はされていません。

 

戸建て住宅で一般に耐震と呼ばれている

方法は建物自体を強くして、強い揺れが

 

あっても変形させないで家を保つ

と言う考え方です。

 

国が奨めている住宅の耐震の考え方は

震度6強~7の大規模地震が来ても

 

『倒壊に至る可能性の小さな建物ならば

命が助かる可能性が高い』と言うものです。

 

平たく言えば家がぺしゃんこにはならないので

隙間が残り、押し潰される可能性は少ない

と言う事です。

 

耐震補強をしてあれば家には何の

被害もなく、今まで通り住める・・・

と言うことではありません。

 

あくまでも『人命の確保が最大の目的』で、

『建物は損傷、傾き等で引続き使用できない

可能性は大いにあります。』

 

これが今の耐震基準の基本的な考え方です。

 

 

 

 

 

 

2.新耐震基準と旧耐震基準の違い・・・

昭和56年以前の耐震基準(旧耐震基準)で

建築された住宅は築35年以上になりますが

 

現在でも住宅総数の1/3弱程度を

占めるそうです。

 

旧耐震基準は昭和43年の十勝沖地震を

教訓に鉄筋コンクリートの柱の強化や

 

木造住宅の基礎の強化がされ、

昭和46年(1971年)に改正されました。

 

現行の新耐震基準は昭和53年(1978年)の

宮城県沖地震後、抜本的に見直され

 

耐震設計基準が大幅に引き上げられ、

木造住宅では壁量や耐力壁面材の

 

見直しなどが行われ、昭和56年(1981年)に

改正されました。

 

壁量の増加や継ぎ手部分の補強などから

考えて、新耐震基準は旧耐震基準に比べ

50%程度強度が増したと考えられます。

 

その後も2000年の改正では地面の

強度と基礎の関係。

 

『柱の抜け防止ホールダウン金物の設置』など

数回の改正が行われ現在に至っています。

 

 

 

 

 

 

3.建物全体の補強を行う耐震補強の傾向・・・

橫浜市でも耐震補強に関して

補助金制度を設けて旧耐震基準の

住宅の耐震化を進めています。

 

橫浜市は建物全体の耐震性を一定以上に

高める事を求めているので工事範囲が

広くなり大きな費用が掛かります。

 

その為、補助金が出ると言っても

個人負担もそれなりに大きくなります。

 

これは橫浜だけではなく、どこの

地方公共団体でも同じようです。

 

一般的に30坪位の住宅では最低でも

200万~300万は掛かると思います。

 

状況によっては補強部分の補修だけと

言う訳にも行かず、フルリフォームのように

なってしまいます。

 

問題はそんなに費用を掛けても、大地震が

来たら、床や壁の歪み等で実際には

家は使い物にならなくなってしまうことです。

 

私にはなにか無駄のように思えてなりません。

 

 

 

 

 

 

4.熊本地震から学んだ事・・・

連日のテレビニュースの映像から

色々な教訓を得ました。

 

 

1)強震が繰り返されると、新耐震基準でも倒壊する

一番私が驚いたのは新耐震基準の家も、

繰り返しの強震では倒壊すると言う事です。

 

熊本の地震では震度6強~7が4回

震度5強~6弱が6回起きています。

 

過去の地震では古い建物が倒壊しても

新しい建物は壊れていないと言う

 

印象でしたが今回は新しい建物も

倒壊しています。

 

耐震構造は要所に耐震壁を配置し

土台、柱、梁などの接合部は金物で

 

強固に接合しがっちり固めて、揺れに

抵抗する構造ですが、

 

今回の様に何度も強い揺れが有る

と言う想定は無いようで、何度も強く

揺らされると接合部分が緩んだり、

 

破損して建物が徐々に耐震強度を失い

最後は倒壊したと考えられます。

 

 

2)見た目に安心感の無い建物はやはり弱い

構造的に無理な形をしている建物は

弱いと思いました。

 

例えば一階部分を駐車場などで

有効利用する為に壁を無くして、

柱だけで保たせた建物。

 

1階より2階の方が大きい建物。

 

上部が重そうな建物、本瓦葺きの

建物も重厚感はあるのですが、

見た目にも頭が重い感じがします。

 

又、幅がとても狭く背の高い建物など

見た目にも不安定な感じがする形は

やはり倒壊する率が高い様に思いました。

 

 

3)2階部分は倒壊しにくい

一階部分が倒壊して2階部分が残り

平屋のようになった画像がありました。

 

当たり前ですが1階部分は2階部分と

屋根の重さを受けているのできついです。

 

なるべく屋根を軽くする事と、いざとなったら

2階に逃げるものだと思いました。

 

やたら幅が狭い3階建てなどは、計算上は

問題が無いのでしょうが究極の状況では

やはり弱いのではないかと思いました。

 

常識的な見た目で安定感がある事は

重要のようです。

 

 

 

 

 

 

5.屋根は金属屋根にすべし・・・

自分の頭の上に来る物はなるべく

軽いものが良いです。

 

金属屋根材は長くて軽いです。

崩れ落ちる可能性も少なく安心です。

 

瓦屋さんには申し訳無いですが

本瓦は重いですし、屋根が崩れると

 

石のような瓦が上から落ちてくるので

大変危険だとつくづく感じました。

 

築30年位になると屋根の葺き替えが

必要になりますが、その際に本瓦、又は

 

コロニアル屋根を金属屋根に替えるのは

大変よいリフォームだと思います。

 

 

1)屋根の重さの比較

30~40坪の住宅では大屋根(2階屋根)の

面積は70~80㎡位です。

 

本瓦は重さが約55㎏/㎡なので

『屋根の総重量は約4トン』になります。

 

これは『小型乗用車が3台』くらい

載っている事になります。

 

それに比べ金属屋根は約5㎏/㎡なので

『屋根の総重量は350~400㎏と

人間5~6人』が載っている程度です。

 

屋根の上に車が3台載って揺すられるのと、

人が5~6人で揺すられる様子の違いは

どなたも想像出来ると思います。

 

重い屋根は地震の横揺れで建物の

頭の方が大きく横に振られ、変形歪みが

大きくなり強度が保てなくなります。

 

ちなみにコロニアル屋根は25㎏/㎡で

約1.7~2.0トンです。

 

金属屋根に替えるだけ耐震性は

大きく向上します。

 

 

 

 

 

 

6.特定の部屋だけ耐震を行う・・・

橫浜に影響があると思われる地震は

関東大震災の再来型と言われる

 

南関東地震や東海地震などのようですが、

地震は何日に来るのか?夜なのか朝なのか?

 

大きさは?など、台風と違いまったく

予測出来ません。

 

その時間帯にはどこにいるのかも

わかりません。

 

もし皆さんが家に居たとしたら

もっとも注意しなければならないのは

夜中の地震です。

 

 

1)寝室を耐震補強する

睡眠中は時間も6~8時間と長く

意識も無く、回りも暗いので、

地震が起きると対応が難しくなります。

 

寝室をしっかりと耐震補強する事は

人命確保上大変重要になります。

 

出来れば寝室は2階の方が安全です。

1階はぺしゃんこになっても2階は

残る可能性が高いからです。

 

天井からの落下物を防ぐ為に

シャンデリア等はやめ、ダウンライトに

するのもお奨めです。

 

2)一階のリビングを耐震化する

食事時や団欒など長い時間人が居る

部屋も出来れば耐震化すると良いです。

 

このように2階の寝室と1階のリビングの

耐震補強が行ってあればいざと言う時も

逃げ込めて安心です。

 

 

 

 

 

 

7.ホールダウン金物の取り付け・・・

過去の事例検証から柱が土台から抜けて

倒壊に至る事がわかりました。

 

新築では2000年から柱の抜け防止として

要所にホールダウン金物の設置が

義務付けられました。

 

このホールダウン金物は在来木造住宅には

非常に効果が有るとされています。

 

在来木造住宅は柱と梁で縦方向の力を

受け持ち、横方向の力は筋交いを

設置した壁が受け持ちます。

 

筋交いの設置条件によっては柱に引き抜きの

力が掛かり柱が抜けてしまいます。

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*上記画像は住まいの水先案内人様の

ホームページから借用しています。

 

 

既存住宅のリフォームにおいても

①屋根を軽くする、

②一部屋だけ潰れない部屋を作る

 

等の耐震対策にさらに、ホールダウン金具を

付ける事でより安全性が高くなります。

 

ホールダウン金物

 

 

1)設置場所が重要

リフォームで行う後付けホールダウン金物が

販売されています。

 

主に一階部分の柱をコンクリート基礎に

固定する物です。

 

ホールダウン施行写真

*上記写真は(株)フルハウス社の

ホールダウン金物です。

 

 

基本的には建物の隅に設置される

場合が多いのですが、設置場所に

 

関しては図面又は現地調査を行い、

筋交いの設置状況を確認し、

 

どの柱にどんな引き抜き力が掛かっているか

計算(N値)して適切に設置する事が重要です。

 

 

 

 

 

8.最後に・・・

どんなに耐震補強を行っていても家は

使用出来なくなるかも知れません。

 

でも最低限の人命確保の策は

行っておきたいです。

 

屋根の葺き替えを行う時には金属屋根に

葺き替え、2階に補強をした寝室を作り、

ホールダウン金物を設置する。

 

この3セットで人命の確保の確率は

かなり高くなると思われます。

 

是非皆様もリフォームの際にはご一考下さい。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 

 

 

2級建築士

一級管工事施工管理技士

マンションリフォームマネージャー

(株)アリとキリギリス

代表取締役 常田 豊

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