職人さん不足でリフォームが出来ない時代が来る!| 横浜 港南区 リフォーム アリキリ

投稿:常田豊


職人さん不足でリフォームが出来ない時代が来る?




≪目次≫

1.建築職人さんの現況・・・

2.今や大工さんは建築業界の絶滅危惧種・・・

3.職人さんが少なくなった二つの原因・・・

4.今後のリフォームに起きる事・・・

5.社会で考えなければならない事・・・

6.今からやらないと間に合わない・・・



現在、空き家が100軒のうち12軒も有り社会問題になっています。家を持とうと云う方がそうした家をリフォームして再利用すると言う考え方は上記の問題解決の方法として大変理にかなっていると思います。


又、 世界中の森林を切り倒し、輸入木材に支えられてきた新築も発展途上国の成長で木材の入手が難しく、既存の中古住宅の有効利用は世界にとっても良い事です。


しかし、そうしたリフォームを支えてくれる職人さんの数は大変な勢いで減少しています。10年先このままの状況が改善されないとすれば、これは本当に大変な事になってしまいます。


今回はこの社会問題を知って頂くと同時に、皆様にもご協力いただける問題解決のご提案をブログに書いてみました。





1.建築職人さんの現況・・・


最近、リフォームで欠かせない熟練の職人さんの数、質が急激に減少、低下しています。


多くの熟練工の方は50代~60代が中心になり、次の40代がややいて、30代は少なく20代は皆無(ほんの少しはいる)という状態です。職人さんは体力や視力が必須なので100%力が出せるのは50才代までです。


それを考えると2025年頃には職人さん不足が農家の高齢化と同じように社会問題になることは間違いない状況です。東京や橫浜など若い人が比較的多い地域でも危ない状況なので、地方ではもっと難しくなると思われます。





2.今や大工さんは建築業界の絶滅危惧種・・・


その中でも特に大工さんの数は不足していて、ほとんど絶滅危惧種レベルです。なぜこんなに大工さんが不足してしまったのでしょうか?


私の考えでは職人さんの中でも大工仕事は①仕事が難しいい、②材料が重い、③体力と気力がいる、④一人前になるまでに時間がかかる。⑤道具をそろえるのにお金がかかる、などの問題が中心にあると思います。


又、教える側の親方にも事情があり、昔で云う『小僧』を手元に置いて育てて行くほど単価が出ていないのです。その為、親方は若い方を手元に置いて育てる事が出来ません。


更に元請と呼ばれるわれわれリフォーム会社や工務店も値引き競争に明け暮れしていて、本気で職人さんの収入の事を考えていませんでした。当社でも一年前位からお客様に状況をご理解いただき改善して行く努力をはじめたような次第です。


特にリフォームでの大工さんは新築を行うよりはるかに知識と技術が必要です。腕の良い大工さんがいなくなったら、皆さんが良いリフォームをしたいと思っても私達が良い職人さんを用いる事が出来なくなってしまいます。





3.職人さんが少なくなった二つの原因・・・


1)稼げない、イメージが良くない


ではなぜ職人さんが少なくなってしまったのでしょうか?一番大きな問題は、①稼げない、②社会的な地位が低い、という事ではないでしょうか。サラリーマンと比較して、肉体的にも就業環境的にも大変な思いをしている割には収入が少ないという事なのではないでしょうか。


今の世の中では、「手や体を動かす事が好きだけど数学や英語は好きでない」という子供に対して親は将来苦労をしない様にと無理に大学に行かせたりします。又、本人も何となくサラーリーマンになって机に向かっている事のほうが幸せだと勘違いしています。

勉強は人生のすべてではないし、体を動かす仕事が事務仕事より下と云う事も有りません。只、世間ではその様な受け取り方がなされている事も確かです。その結果、職人さんになるのは上記からスピンアウトした人たちが中心になってしまいました。


そうした事から、特に建築系の職人さんに対しての世間の目は、ギャンブル好きとか犯罪のニュースに良く出てくるなどマイナスなイメージが強かった気がします。(個人的な意見です)


2)親方の単価が安すぎて若い職人さんを育てられない


昔の職人さんは親方と小僧とか手元と呼ばれる若い人が一組で動いていましたが、今は多くの職人さんが一人で仕事を行っています。


なぜかと云うと単価が安すぎて、若い人に支払う給料が捻出できないのです。本来は若い人が、重い材木を運んだり道具の段取りをしながら、親方から徐々に技術的な事を教わり、一人前に育て行きました。以前はそのくらい単価に余裕があったのです。


昔は職人さんは収入も良く安定していて人気がありました。高度経済成長期の住宅ブームで新築を行う住宅業界では工業化と称し、職人仕事を工業製品に置き換えて行きました。その結果、職人さんの仕事が減り収入も下がって行きました。


リフォームも以前と比べるとユニットバスなど工場生産の比率は上がっていますが、新築に比べて職人さんが係わる比率や職人さんの腕に左右される部分が多く残っており職人さんの重要さに変わりはありません。





4.今後、住まいのリフォームに起きる問題・・・


新築は単純作業化が進み、建築棟数も減少傾向なので、比較的影響が少ないかも知れないですが、豊富な経験と優れた技量が要求され且つ、今後増加傾向にあるリフォームでは致命的な事になるかも知れません。


今ですら技量、経験が原因のクレームやトラブルが絶えないリフォーム業界ですからこれからが本当に心配です。このままの状態が続くと、ご依頼を頂いてから長い期間待って頂くとか、雑で出来の悪いリフォームが多発すると予想されます。


ではこんな状況の中で皆さまも含め、われわれに出来る事は何なのでしょうか?私が一番感じる事は職人さんが行っている仕事がどれだけ大変か理解し、感謝とリスペクトの気持ちを持つ事だと思います。


ちょっと考えてみてください、例えばトイレのリフォームでは、設備屋さんが先ほどまで使用していた便器を外し、抱きかかえて、外に出すんです。大工さんはアンモニア臭のする床板や壁を剥がすんです。それもあの狭い空間で、『それが仕事です。』本当に大変な仕事で、感謝されるべき仕事だと思います。こうした感謝の気持ちを世間が職人さんに向ける事で大きく変化が出てきます。


ちょっと自慢をしますが、当社は職人さん大事にしています。職人さんに対する接し方の他、お客様にも『職人さんの手間は値引きできませんよ!』とお願いし、出来る限り単価を出すようにしています。その他、段取りでも職人さんが無駄に働かなくて良いように考えています。


尚、出来ればお客様にも、リフォーム前のお部屋の片付けや荷物移動などご協力頂けると職人さんは仕事がし易く良い仕事が出来ると思います。もし、荷物が多くてご自分では出来ないという事であれば、そうした専門業者をご紹介出来ます。もともと職人さんはお客様の荷物の片付けや荷物移動を行う事が仕事ではないからです。




5.社会で考えなければならない事・・・


若者が汗をかき体を動かしている姿は廻りで見ていても大変気持ちが良く、すがすがしいものです。リフォームだけでは無いですが現実の社会は誰かが上記の様な現場仕事を担ってくれないと社会が成り立ちません。下水の清掃でも、建物の解体でも、宅配便の配達でもなんでもです。


若くて体力があり体を動かす事が好きな人にはこのような仕事をやって頂く、そしてそれなりの収入が得られるようにする必要があります。


何も若い人全員が大学に行きデスクワークを目指す必要は無いと思います。適材適所で働く事でよいのではないでしょうか。そして、親や学校も社会もそうした仕事をしっかり認める事ではないでしょうか。そう言う社会になり、大工さん自分の子供に仕事を継がせたくなり、子供たちの間でも人気の職業になる事が重要だと思います。





6.今からやらないと間に合わない・・・


先日テレビで小学生のなりたい職業のアンケートをやっていました。20年前大工さんは5位だったそうですが、今年は10位だそうです。意外にまだ人気があるんだと少し安心しました。


大人が知恵を付ける前の子供達は自分で物を作ることのおもしろさを知っているのです。世の中が職人さんをリスぺクトして彼らの社会的な意義や存在を認めて行けば若い人が進んで職人さんになりたいと言う動きが出てきます。


われわれが早く意識を変える事で、まだ間に合うかもしれません。是非皆さんがリフォームを行う時には職人さんの仕事に興味を持ち、現場で気軽に声を掛けたり、質問したり、一生懸命な態度に感謝を示すなど職人さんとの交流を大切にして頂ければこの問題が一歩前進します。





≪最後に・・・≫


当社で仕事をお願いしている職人さんは、確かに過去はヤンキーだったり色々ですが本質は大変真面目で信頼できる方たちです。例を挙げると当社の大工さんのHさんは若い時は全く無気力で全然やる気がなかったそうですが、今は本当に腕が良く向上心も高く無口ですが、とても信頼の出来る大工さんで他の工務店さんからも引っ張りだこです。経済的にもしっかり稼いで安定的に仕事をされています。


塗装屋さんのNさんもお父さんがこぼすくらいのヤンキーだったそうですが、今は子煩悩で仕事も大変責任感が強くまじめで、当社のスタッフも大変信頼しています。


私の見る限りは、お二人とも職人仕事に自分のやり甲斐を見つける事が出来たのでこんなに見違えるように変わったのだと思います。


物を作る職人仕事は大変おもしろく世の中の役に立つ仕事です。もし職人さんがいなくなったら、雨漏れも水道の漏水も治らないし、家の中が古くなってもきれいに出来ません。本当にそんなことにならないうちに、みんなで出来る事から行動をしましょう。




最後まで熟読頂きありがとうございました。


2級建築士

一級管工事施工管理技士

マンションリフォームマネージャー

アリキリリフォーム株式会社

代表取締役 常田 豊


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