築40年木造住宅をさらに30年使い続けるための再生リフォーム教えます!

2023.5.26 常田 豊

アリキリリフォーム(株) 代表取締役社長AK住宅維持管理コンサル設計事務所 所長 常田 豊 です。

建設業界在歴53年、内リフォーム業界在歴35年、新築からリフォームまで多くの現場での経験を通して学んだリフォームの本質を皆様にお伝えいたします。

又、独自に考案した『ハイブリッド耐震工法』『区画断熱工法』『パネル式窓断熱工法』など、40年戸建て住宅に適した住宅再生工法をわかり易くお伝えいたします。

今後の住宅維持管理の参考にして頂けると幸いです。


現在築40年の戸建て木造住宅にお住まい

実家で親または子と同居することになった

相続後の住宅をどのように扱えばよいか分からない

少し古めの中古物件購入を検討中

 

そんな皆さまへ こんなお悩み・ご心配ありませんか?

この家、あと何年ぐらい使えるのかな?

☑最近地震が多い!大地震が来ても大丈夫なのかな?

☑建て替えないといけないのかな?

☑リフォームすると費用はどのくらい掛かるのかな?


1.建物の耐震基準を知ろう!!

”戸建て住宅再生リフォーム”の話しに入る前に「建物の耐震基準」について少しご説明します。

築40年の戸建住宅(木造)は1982年前後に建てられた住宅で、新耐震基準が制定された『1981年6月1日以降に建築確認申請が受理』されている場合は新耐震基準によって建てられており、旧基準と新基準が混ざり合っている時期に当たります。

確認方法はお手元の確認通知書(副)の確認年月日『昭和56年6月1日以降であれば新耐震基準』で建てられ、それ以前なら『旧耐震基準』で建てられていることになります。

因みに『旧耐震基準』と『新耐震基準』との大きな違いは「旧耐震が震度5程度で倒壊しない」に対して「新耐震では震度7程度で倒壊しない」 と云うところに有り、『新耐震基準』では耐震性が高められています。

震度7以上の大地震が起きた場合【まとめ】

①『旧耐震基準』では、家は倒壊し、命が守れない可能性が大きい。

②『新耐震基準』では、家は大きくゆがむが倒壊しないので、命が守れる可能性が大きい。

※上記を踏まえ当社では、建物が『旧耐震基準』の場合「再生リフォーム」ではなく「建て替え」をお薦めしています。 

下記 3.築40年リフォームで出来る耐震工事(リフォームか?新築か?)参照

では、建物が『新耐震基準』で建てられていましたら、更に安心・安全・快適に暮らすにはどの様な手を打てば良いか?を順番にご説明していきます。

2.築40年木造住宅の状態はどういう物か?

◆木造住宅の寿命と築40年住宅の状態

築40年の木造住宅の状態はどういう物でしょうか?

皆さまもご承知のように寺院、仏閣など多くの木造建造物は何百年も存在しています。

それは適切な維持管理が行われているからで、私たちが住んでいる木造住宅でも同じ事が言えます。

適切な住宅維持管理を行っていけば築40年の住宅でもまだまだ使い続ける事が可能だと言うことです。

木造住宅の寿命を縮める水

木造住宅の寿命に大きく影響するのは“水”です。

水の代表はですがその他にタイル浴室の排水地面からの湿気などがあげられます。

上記の水から木部を守る対策を適切に行い維持管理して行く事で、築40年の住宅もまだまだ使い続けることが出来ます。

下記「築40年の木造戸建て住宅再生リフォームのポイントをお読み頂くことで「木造戸建て住宅再生リフォーム」が今後30年 「安心・安全・快適に暮らす」ためにとても重要で費用対効果の高いリフォームかご納得頂けると思います。

3.築40年の木造戸建て住宅再生リフォームのポイント

【目次】

1.水から木部を守るリフォーム

2.築40木造住宅の耐震性能

3.築40年リフォームで出来る耐震工事(リフォームか?新築か?)

4.リフォームに適した耐震設計と動画シュミレーション

5.寒さ暑さ対策

6.築40年リフォームの費用


1.水から木部を守るリフォーム

木造住宅には雨などの水が大敵です。一番大きな点は雨から木部を守る事ですが、屋内の水回り設備、特にタイル張りの浴室も注意が必要です。

1)屋根の維持管理

雨と云えば屋根ですが、カラーコロニアル系の屋根では10年ごとに塗装を行い屋根材の劣化を防止する必要があります。また、屋根材の下にある防水紙の寿命は30年程度なので屋根葺替えのタイミングで交換が必要になります。

現在、お住まいが築40年でまだ屋根を葺替えていない場合、屋根の葺替えが必要になります。

2)壁の維持管理

次に問題になるのが外壁塗装です。

雨漏りと一見関係が無いように思えますが、実は窓回りなど壁の開口部分に絡んだ雨漏りは大変多く発生しています。

主な原因は窓回りの水切り板金の施工不良サイディング壁のコーキング切れです。

こうした雨漏りは部屋内に出てこない事も多く、問題に気付き難い事も多々あります。

下の画像をご覧ください。

雨漏りで梁がこんなに腐ってしまっています。

足場を掛けて行う10年ごとの塗装は化粧直しだけでなく「建物の定期点検」と位置づけ、専門家に高所など通常では確認出来ない部分も確認してもらう絶好のチャンスであり、「住宅維持管理」にはとても重要なリフォームです。

3)水回りの維持管理

各排水系統から床下に漏れていない事が重要ですが、万が一漏れていたとしも気が付く事が多く、修理をすることで解決します。問題なのはタイル張り浴室の排水の影響です。

下の図のようにタイル張り浴室では浴槽の排水や洗い場の排水のしみ込みなどによって浴槽下や洗い場下のコンクリートが365日乾燥することなく水分が非常に多い状態におかれ、その水分がコンクリート基礎~土台~柱に浸透し腐らせてしまいます。

木部の含水量は一定の値を超えると「木材腐朽菌」が活発に働き出し木部を腐らせてしまいます。

又、この条件は白アリにも好まれます。

この問題を解決する最も効果的な方法は「ユニットバスにリフォームする事」です。

ユニットバスは排水を屋外排水に直接排水する構造になっているので、上記の問題は完全に解決されます。

現況 「タイル張り在来工法の浴室」
完成 ユニットバスリフォーム

シロアリの駆除もしっかり行いましょう。

下の画像をご覧ください。

タイル張り浴槽を解体すると土台がこんなに腐っていま
した。このままにしておくと白アリにも食べられ、建物
自体に歪みが出てきます。
腐った部分を新規材料に差し替え土台をしっかりと補強
しました。また白アリ駆除も併せて行うことで安心して
暮らす事ができます。

薬剤の有効期間は5年間なので忘れないようにしてください。

又、羽蟻などの発生も注意深く観察してください。

参考【社長のホームページ】 戸建て住宅タイル浴室が木造住宅の寿命を縮める!

2.築40年木造住宅の耐震性能

新耐震基準築で建てられた築40年木造住宅の耐震の考え方は、『大震災の建物倒壊から命を守る』大地震が来ても建物は大破するが倒壊はせず、命は何とか助かるというものです。

大震災とは数百年に一度起こると云われる震度7程度の地震で、記憶に新しい、3.11の東日本大震災や熊本地震などのクラスです。

しかし、建物が壊れて住めなくなってしまっては大問題と云う観点から最近は『大震災から命だけではなく建物も守る』と云う考え方が出てきて、その耐震性能の数値が「品確法:住宅の品質確保の推進に関する法律」により耐震等級の1~3と云う名称で示されるようになりました。

3.築40年住宅・リフォームで出来る耐震工事(リフォームか?新築か?)

築40年の住宅でも床・壁・天井を全て解体し、柱・梁を全て見える状態(スケルトン)にすれば、今の基準の耐震補強に近い工事は出来ると思いますが、①『技術的に全く同じという訳には行かない事』と、そこまで行うと②『費用対効果の点で新築の方が勝る』という事が出てきます。

そこで『既存住宅の耐震性能を確認し、水回りや内装工事を行う部位を中心に耐震補強を行った場合、一定の耐震強度が保てるか?』の判断が必要です。

そうした考え方でリフォームしない部位も多少の耐震工事を行う事で、現在の『耐震等級2程度』を確保するように考えるのが現実的ではないかと思います。

因みに、『耐震等級2』は震度7程度の1回の大地震では ”倒壊せず、建物の被害も比較的小さい” と云う概念になっています。

リフォームは出来るだけ既存部分を上手に使用するというのが基本で、新築と比べ作業性の悪さから、大掛かりなリフォームになればなるほど費用対効果が下がります。

例えば延べ床面積約40坪(130㎡)の新築では解体も含めた工事費は3000~4000万円(税別)ぐらいが相場だと思います。一方、スケルトンのような大掛かりなリフォームでは(設備機器などの選び方にもよりますが)耐震工事を含めた費用は概ね2500万円~3000万円ぐらいという事になります。

上記の例からすると新築も選択肢に入ってくるので、『リフォームか?新築か?』の判断が重要になってきます。

リフォームを選ばれた場合、当社としては長年の経験から上記のように全体をリフォームするのではなく『暮らし方の優先順位を決める』ことで、『1500万円~1800万円位で出来るリフォーム』で収めることをお薦めしています。

4.リフォームに適した耐震設計と動画シュミレーション

リフォームの場合、新築と同じ考え方で耐震設計を行うと大変な費用が掛る事を前章でお話しました。

その為、最近は設置が簡単で更に繰り返される地震でも耐震性能が低下しない、「制震オイルダンパーの設置」をお薦めしています。

制震オイルダンパーは『耐力壁の様に揺れに対して建物を強くする』のではなく、揺れを吸収して建物を揺れなくする事で建物を守ることが出来ます。

大きな揺れに耐え難い築40年過ぎの建物には打って付けの耐震設計という事が出来ます。

制震ダンパーは既存部分を少し壊す程度で設置が出来ます。耐力壁の補強と併用した設計では費用も130万円程度と通常の1/3程度行う事が出来ます。

又、当社ではこうした設計の結果を数値を示すだけでは無く、「WallStat」という動画シュミレーションソフトを用いて皆様に設計前と後の耐震状況を動画で比較してご覧頂く事が出来ます。

因みに「WallStat」は京都大学生存圏研究所の中川貴文先生が開発されたソフトで、私も課題研修の審査を受けて「WallStatマスターの資格」を取得しています。

5.寒さ暑さ対策

次に寒さ暑さ対策ですが、まず、現在のお住まいの状況はいかがでしょうか?

どの部屋に行っても寒いという事であれば断熱材が入っていないという事も考えられます。

仮に入っていても地形的な問題や冬季の風の向きの関係で、もろに冷たい風が当たる部分があるという事も有ると思います。

この問題も耐震の問題と同じで、全室の床・壁・天井を解体して断熱を行うという非常に大変な話になります。

そこで、当社がお薦めするリフォームは、下記3つのいづれかです。もちろんすべてリフォームされるとより効果的です。

一つづつ見ていきましょう。

窓断熱リフォーム

比較的簡単に断熱が出来、効果が高いのが窓断熱です。窓からの熱損出は建物全体の50%以上にもなり既存の窓に内窓を取り付ける事で大きな効果が出ます。

もちろん窓断熱は暖房だけではなく冷房にも効果が有ります。日射による室内温度の上昇が気になる場合にも大きな効果があります。

その方法としては

1)内窓サッシを設置する

2)サッシを交換する

3)窓ガラスを交換する

4)ダンパネを取付ける(透明中空ポリカ断熱パネル/当社特許製品

◆ダンパネは当社特許製品です。下記写真のように透明な断熱パネルを強力な磁石により窓ガラスに固定する製品で、安価に取り付けることが出来ます。

腰窓左右に設置 曇りガラスのようになります
お隣さんとの目隠しになると好評
安価に「腰窓・掃き出し窓」など多くの窓に対応可能

浴室をユニットバスにリフォームする

浴室が『昔からのタイル張り』の場合には大変寒い場合があります。この場合にはユニットバスにリフォームする事で解決出来ます。

最もお薦めなのが『床暖房』です

床暖房設置はリフォームに大変相性の良い工事で、特に温水で行う床暖房は大きなお部屋や複数のお部屋にも対応が出来ます。良くお使いになる複数のお部屋に設置する事で快適な暖房が味わえ、こちらもお薦めです。

床の仕上げ材の種類も大変多くなっており、お好みに合わせてお選び頂けます。

和室でご使用になりたい場合にも対応が可能です。

床暖房設置施工写真

4)区画断熱

建物すべてを断熱すると大きな費用になるので、長時間過ごす部屋や寝室などに限定して床・壁・天井の断熱を行う『区画分断熱』もお薦めです。

6.築40年再生リフォームの費用相場

最後に、もし今まで屋根の葺き替えやキッチン・浴室などの水回りなど大きな部分のリフォームを行った事が無いと仮定した場合、延べ床面積35~40坪の住宅では概ね1300万円~1900万円位とお考え頂ければよいと思います。

下記比較表もご参考ください。

以上になりますが、築40年超、木造戸建住宅にお住まいで「今後この家をどうしたら良いか?」とお悩みの方は是非アリキリリフォームへご相談ください。ご相談は無料です。

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