投稿:常田 豊
リフォーム業界の働き方改革・・・社長が変われば働き方が変わる!
今、世間で働き方改革が話題になっています。
我々のリフォーム業界も真剣にこの事を
考えなければならない状況になっています。
このブログを書くきっかけはネットで
当社の愛称『アリキリ』を検索したところ
トップに出てきたのが
『働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。
|サイボウズアニメアリキリ』でした。
以下が検索結果です。
アニメが面白そうだったので第一話の『残業編』を
見たところ、絵もすごくセンス良く、
内容も風刺が効いていてなかなかの出来で、
働き方改革の問題点の本質を突き
的を得たすばらしいいアニメでした。
そこで私も以前から気がかりだった
リフォーム業界の働き方改革に関して
書きたくなったという訳です。
アニメに出てくる『プレミアムフライデー』も
ネイミングはかっこいいですが、
それを実践する為の手法は特に考えがあるわけでは無く
『会社又は個人レベルでなんとかやってください・・・』
という国からの押し付け感が強く感じられます。
プレミアムフライディー制度で早退できる人は、
元々その制度が無くても早退できる状況下で
勤務されている人達で、そうしたくてもできない
人達にとっては大変迷惑な話だと思います。
サイボウズさんが以前から働き方改革を
進めているような、本当の意味での
働き方改革は社員にとってメリットが
無くては意味がありません。
しかし、会社にとってデメリットになっても
いけません。
社員と会社が信頼の基に本気で協力しない限り
実現しないと思います。
≪目次≫
1.社員も会社も良くならなければ改革の意味はない・・・
2.リフォーム業界のグーレーな働き方・・・
3.経営者が意識を変えないと働き方は変わらない・・・
4.営業スタイルを変えないと働き方は変わらない・・・
5.悪循環の始まり・・・
6.今すご出来る解決方法・・・
7.転職、就職希望者にグレーな会社の見分け方・・・
1.社員も会社も良くならなければ改革の意味はない・・・
働き方改革は・・・
『働く人にメリットが有る事と会社の利益を損ねない事』が
同時に成し遂げなければなりません。
要するに働き方改革を行ったら『会社の利益が下がった・・・
社員給料が下がった・・・』では意味がないという事です。
当社も以前から働き方には関心を持って
改善を行っています。
社員数名の小さな会社ですが、いま働いている社員や
将来当社に就職して頂く社員の事を真剣に考え
出来る範囲で少しずつ改善を行っています。
その結果、まだまだ色々な問題は有るのですが、
同業者や業界に関係した会社の方たちの話で
知る限りでは、業界内ではそれなりの
レベルにあると感じています。
リフォーム業界が以下に記すような
就業環境では良い人材が集るわけもなく、
いずれ衰退してしまう事でしょう。
そうなる前に業界全体として、少しでも
就業環境を改善する努力をしなければいけません。
ますます人手不足が深刻になる中、
業界の経営者がしっかりした意識を持って
本当の『働き方改革』を行っていかないと、
長時間労働が当たり前になっている現状では
若い人が集まらなくなってしまいます。
2.リフォーム業界のグーレーな働き方・・・
或る機器問屋さんの担当が言っていました。
朝、出社してFAXの注文書を見たら、
発信時間が午前1時を回っていたそうです。
ちなみに午後10時、11時はもうザラだそうです。
仲間内では『天辺越え』という言葉が
あるように、12時過ぎまで仕事をする事は
多々有る業界なのです。
我々に建材や機器を納品してくれている
問屋さんも、リフォーム会社と同じように
遅くまで働いています。
大手商社さんでは労基署に見張られているとか、
調査が入ったという話を聞きます。
これは我々リフォーム業者が遅くまで
やっている事も原因の一つになっています。
リフォーム会社のリフォームコーディネーター
と呼ばれる担当者の業務は、日中は営業で
お客様と打ち合わせたり、施工中の現場
打ち合わを行い、夕方、事務所に戻ってから
見積作成や材料の注文を行うといった感じです。
その関係で材料納品業者などとの
商談も夜になるという負の連鎖です。
こうした負の連鎖を無くすには、
川上に位置するリフォーム会社が
先頭に立って働き方改革を行う
必要が有ります。
3.経営者が意識を変えないと働き方は変わらない・・・
数年前に或るメーカーさんの研修会で、
こんなお話をされている社長さんがいました。
この会社はWebの業者比較紹介サイトを
うまく活用して急成長をした、業界では知られている
会社で、社長さんは50代のイケイケの方です。
或る年に10人新卒を採用したそうです、
すると1年後に残っている新卒の社員は
1人しかいなかったそうです。
社長さんはご自分も遅くまで仕事をするのが
苦にならないそうで、遅くまで仕事をしている
社員を良い社員とおっしゃっていました。
その会社は毎日午後11時、12時の退社は
当たり前だそうです。
このような話は他でもよく聞きます。
『9時になっても社長が帰らないから帰れない・・・』
とか、『うちの社長は趣味が仕事なので
年中無休なのです。
だから定時に帰ると嫌味を言われて帰り難い・・・』
先日も或る職人さんからこんな話を聞きました。
彼は現在の仕事の過労がたたって、慢性的な
疾患が発生してしまったそうです。
社長は新しい事業に邁進していて、
そのあおりで本来の業務以外の事もさせられ、
仲間たちは去って行き、以前以上に
仕事がハードになったそうです。
『久しぶりに早く終わり、
8時頃事務所に戻ったら、早かったな、
じゃあこれから倉庫の片づけをやってくれ・・・』
上記のような感覚を持った経営者の会社では
働き方が変わる事は決してないと思います。
経営者が長時間労働という手段では無く、
合理的な手法で効率化を行い利益を上げる
という考え方と、自分とみな同じ働き方を
望んでいるわけでは無い事を自覚しない限り
何も変わらないと思います。
もし、これを読んでいる人で、今こうした会社で
働いているとしたら、体を壊さないうちに
やめるのも一つの選択だと思います。
探せば、良い会社は必ずあるはずです。
4.営業スタイルを変えないと働き方は変わらない・・・
ではなぜ、リフォーム業界でこのような
長時間労働が起きてしまうのでしょうか?
私の見解はこうです。
1)営業効率が悪すぎる
2)利益が少なすぎる
以上2つが最も大きな原因と思います。
そして以下がその主な要因だと考えられます。
≪1.Webの集客サイトの利用した営業≫
原因の一つが『Webの集客サイトを活用した営業』です。
こうしたサイトはいくつもありますが、
どのサイトも結局のところ、『消費者が簡単に
相見積が取れる』と云うものです。
私の経験では過剰に消費者サイドに偏った、
このシステムを営業の柱にすると、
まづ成約率が悪化してきます。
そして、価格競争中心の営業になり
利益が得られなくなります。
こうなると、数をこなす必要が出てくるので
現場調査や見積作成頻度が更に増え、
長時間労働の負のスパイラルに
突入してしまいます。
当社も2003年頃から4年間ほどこのような
営業を中心に据えて行った来ましたが、
この頃は残業も多く社員が疲弊していました。
その為、現在はまったく行っていません
≪2.営業エリアの広げすぎ≫
営業効率に関してもう一つの原因が
営業エリアの広げ過ぎです。
現場が遠くて良い事は何もありません。
私は片道1時間でも遠すぎると思っています。
例えば、午後2時に見積提出する場合、
1時に会社を出て2時にお客様宅着、打合わせが
1時間半掛かり3時半終了、事務所に戻ったら4時半です。
その間、運転時間の2時間は何も出来ない訳です。
運よく成約になり施工の段階になってからは
もっと頻繁にこの時間の無駄が生じます。
考えただけでも『ぞっと』します。
当社の周辺でも東京や千葉、厚木方面の業者など
をしばしば見かけます。
この事を無駄と考えて互いの業者が越境せずに
自社の周辺での営業を強化し、このような事を
無くすだけでも働き方が変わると思います。
上記の様な営業方針は中小零細企業の場合
社長の判断事項なので或る意味社長の
考え方次第という事になります。
ちなみに当社ではほとんどの現場は片道15分以内で
片道30分以上の遠方はお断りするという規定を
設けています。
≪3.過剰な競争≫
過剰な価格競争は『百害あって一利なし』です。
害の一番は①職人さんの手間が減り、工事の内容が
悪くなる事です。これはお客様にとって害になります。
②は薄利になり会社の経費が不足します。
その結果より多くの仕事を社員に
こなしてもらう事になります。
この原因は『価格重視の悪しき相見積』が
常態化した事です。
お客様にとって色々な業者を比較出来るという点で
相見積が悪いとは思いませんが、お客様も業者も
相見積は価格を比較するものだという固定観念が
有る為、このような事が起きます。
『当社はここが問題と考えているので、このような
内容でのご提案になります。よって見積金額は
○○万円になります・・・』というように、
各業者が自社のリフォームの特徴を明確に示した
内容と価格を提示し、お客様もその内容を判断して、
自分の考えに沿った業者を選ぶことが本来の
在り方なはずですが、往々にして見積書の
金額だけに目が行ってしまい業者も価格だけで
勝負している事が問題なのです。
5.悪循環の始まり・・・
上記の様な原因で必要経費を充足する利益が
出せなくなるパターンが常態化すると
数をこなすことが優先され、行き着くところは
長時間労働です。
こうなると負のスパイラルが始まり、
予算がないから安い職人さんに依頼し、
おまけに現場数が多くなり現場の
チェックが悪くなる。
そうするとクレームや手直しが多くなり
その為に時間が取られ、夜でないと見積作成
が出来ないという悪循環になってしまいます。
6.今すご出来る解決方法・・・
最初に書いたように、このままでは
リフォーム業界は魅力のないグレーな
業界になってしまいます。
又、現在、劣悪な環境で働いている社員は
良いパフォーマンスが発揮できなくなったり
病気になったり、誰にとっても得な事はありません。
でも上記の要因を少しずつ改善して行けば
今からで勤務環境の良い会社に出来ます。
第1はあまり遠くに行かないで、なるべく近くを
営業エリアにする事です。
併せてお客様も上記の事を理解して、
なるべく近くの業者を選ぶ事も重要です。
第2は価格競争に巻き込まれないような
努力をする事です。
なかなか難しいい事と思いますが、
お客様に自社の特徴をきちんと伝え、
『この内容で工事を行うにはこの価格が
必要です』ストレートに訴え理解を
頂く事だと思います。
当社も現在この方針で営業を行っていますが、
中には意図的に業者間での価格を競わせよう
とするお客様もいます。
そうした場合にこちらから辞退させて頂くなど
不毛な価格競争に巻き込まれない努力を
行っています。
7.転職、就職希望者にグレーな会社の見分け方・・・
リフォームと云う仕事はとても創造的で、
個人の能力が発揮できます。
若い人や志の高い人たちに是非参加して
ほしいと思っています。
当社も『お客様良し・業者さん良し・会社良し』と
3方良しの考えを会社経営に取入れ、
お客様を始め関わる人たちの誰もが犠牲にならない
仕事のやり方を模索しています。
皆さんの回りにもきっと転職先、就職先として
自分にあったリフォーム会社が有るはずです。
しっかりと心の目を見開いて、真剣に探せば
見つかります。
面接では社長に以下の質問をしてください。
①営業はどのように行っているか?
②営業エリアはどこまでか?
③社員の平均的な退社時間は何時か?
この3点を確認すれば、どんな会社か見当が付きます。
①Webの見積比較サイトに重点を置いていたら
長時間労働はあると考えてください。
②で県外や、どう見ても1時間以上かかるエリアまで
設定していたら、これの長時間労働はあると思います。
③平均退社時間が9時過ぎは問題外です。
稀に、社長が嘘をついていることも有るので、
ご自分の目で実際に確認してください。
何度か夜に会社の前を通り、社長が答えた時間に
会社の明かりが付いていないか確認するのです。
(ちなみに当社のリフォームコーディネーター職の
平均退社時間は7時24分でした。(2017年)
今年は7時を目指しています。)
ご自分の人生を賭ける事になる会社選びです。
間違った選択をすれば病気になったり、
ご家庭に障害を招く事もあります。
是非慎重にご確認ください。
最後まで熟読頂きありがとうございました。
2級建築士
一級管工事施工管理技士
マンションリフォームマネージャー
アリキリリフォーム株式会社
代表取締役 常田 豊
記事タグ:リフォーム業界の働き方改革・・・社長が変われば働き方が変わる!
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