引越しないで行うマンションリフォーム計画・技術屋社長ブログ

仮住まいなしの大規模リフォーム

大規模リフォームのご相談を頂くお客様の多くが「仮住まい」即ち一時的な引っ越しの事で、悩まれています。

引っ越しは家の中が片づけられる良い機会と云う見方もできますが、費用も掛かり面倒で大変な作業です。

現在はお金を出せば荷物の梱包なども行って頂けますが、全ての家財道具を預け、更に自分たちの寝泊りの場所を探すのは大きな労力です。

しかしながらマンションは新築から25年~30年を過ぎると水回りを中心に傷んだ所が目立つようになり、寿命を迎えます。

その為にどこのマンションでも築25~30年になるとあちらこちらでリフォームが行われる、リフォーム適齢期になります。

多くの皆様は壊れるまで何とか使いたいとお考えでしょうが、壊れてから慌ててリフォームを行うほど無駄な事はありません。急いだおかげで、高い費用で気に入らないリフォームを行う事になるケースが多々あります。

●そうしたリフォーム適齢期にお客様が取る行動には2種類あるようです。

1.壊れて行く状況に任せて、壊れた順にリフォームを行って行く

2.一度に全部をリフォームする

壊れた所から順に何となく直して行くという考え方でも良いのですが、壊れて慌てて行ったり、毎回違った業者が入ったりした場合には一貫した構想が無いまま、パッチワークのようなリフォームになってしまう懸念があります。

そこで考えられるのが「一度に行う場合と同じよう ”全体設計図” を描き、それを数回に分けて在宅のままでリフォームを行う考え方」です。

この方法により、施工上の合理性とお客様のご希望をうまく調整し計画的に無駄な費用を掛けずにきれいにリフォームが出来ます。

今回は築25~30年のマンションで「そろそろリフォームをしなければ・・・」と、お考えの皆様に在宅で行う大規模マンションリフォームを詳しくお話しいたします。

目次

1.知っておきましょう!マンションリフォームの時期と金額

2.大規模リフォームで引越しが必要な理由

3.大規模リフォームを分けて行う方法と注意点

4.引越しした場合と在宅の場合のメリット、デメリット(費用・工期・環境)

5.リフォームローンと資金計画

1.知っておきましょう!マンションリフォームの時期と金額

新築から25~30年を過ぎると 「水回りの修理や部品の一部が壊れかけている」 「なんだかあちこち調子が悪い」 など気になる点が多くなります。

更に床・壁・天井といった内装の汚れや剥がれ、建具の動きが悪いなど色々な問題も起きてきます。

これは設備機器や建材、内装材の寿命と云う事になります。

水回り機器の寿命は概ね25年程度で、その位の年数で交換するように設計されています。

リフォームでよく見かけるのが壊れた順にリフォームを行っているパターンです。

「昨年洗面所のリフォームをしたと思ったら、今度はお風呂が壊れてリフォームをする事になったの。思いがけない出費で大変・・・」など、奥様方の会話に良くありそうです。

ここでは、マンションのリフォーム年表を使って、新築から何年毎にどんなリフォームが必要になり幾らくらい掛かるかをご説明いたします。

上記、年表上は分かり易く「10年」 「25年」 と書いていますが、これは一定の目安で、もっと早く壊れる場合もあるし、もっと長持ちする事もあります。

又、部品交換で済む修理は、部品の保管期間の関係で 「7年程度」 ですので、その後は修理が難しい場合もあります。

金額の話ですが、項目金額の下に記載されている金額は累計金額になります。

「新築から10年・20年の定期リフォーム」の費用は約50万円程度ですが、「25年~30年の再生リフォーム」の費用は当社では平均的に1200万円程度になっています。(機器類の選択・施工方法などにより違いはあります)

上記の様に部屋全体をすべてリフォームするような大規模なリフォームでは、予算と日数を抑えた効率的な工事を行う為に、同じ作業工種は出来るだけ一度に行う事が重要になります。

この「25年~30年の再生リフォーム」 が今回のお話の主役になります。

2.大規模リフォームで引越しが必要な理由

一般に「大規模リフォーム」 というのは25~30年で必要になる再生リフォームを「まとめて1回で行う」場合を指しています。

これに対して、一カ所又は数カ所単位で、部分的に行う場合、水回り(キッチン・浴室・洗面所・トイレ)リフォーム・内装(リビング・居室・子供部屋)リフォームなどと表現しています。

上記の様に部屋全体をすべてリフォームするような大規模なリフォームでは、予算と日数を抑えた効率的な工事を行う為に、同じ作業工種は出来るだけ一度に行う事が重要になります。

例えば解体作業ではトイレだけとかキッチンだけとかでは無く居室まで必要な部分は全て一度に解体しますので生活するスペースは皆無になります。

ですから短期貸しのアパートなどに引っ越す、または家財道具を全て倉庫に預け、ウイクリーマンション等に仮住まいする事になります。

一般的なマンションの大規模リフォームの工期は2ケ月半程度ですから、約3ケ月の仮住まいして頂く事になります。

3.大規模リフォームを分けて行う方法と注意点

リフォームの規模が大きくなる事と仮住まいの関係は前章でご説明した通りで、経済合理性と工期短縮が主な理由で、リフォームを一度で行う場合にはどうしても必要な対応です。

更に詳しく言うと、配管改修が必要な古いマンションや間取りを全く違った形にする場合なども内部の造作を全て解体撤去し、空の状態(スケルトン)にして行う必要があるので、仮住まいはが必要になります。

しかし、世の中を少し見渡してみると、そんなに多くの方がリフォームの為に仮住まいをしているかというとそうでも無いと思います。

当社で行っているリフォームでも圧倒的に在宅リフォームが多いのが実情です。

ではリフォームを大規模に行う場合でもどのよう条件ならば在宅のまま出来るのでしょうか?

その条件は

 1.リフォームを分割して何回かに分けて行う場合

 2.大きな間取り変更などが無い場合

 3.水回り全体の配管新しく交換が必要ない場合

上記の条件であれば在宅でのリフォームが可能になります。

尚、3番目の配管に関して、築古マンションで配管交換が必要な場合は工期が長くなり、費用も高くなります。

皆様もご想像が付くと思いますが、一般的なキッチンリフォーム、トイレリフォーム、居室のリフォームなどを単独で行う場合に仮住まいをすることはほぼ有りません。

それは工事範囲が限定されているからです。

特に水回りに関しては居住スペースと違い、家財道具はほぼなく、人もいないので工事が行えるわけです。

但し居室に関しては工事中の居室での生活は出来ませんし、全ての家財を無い状態にする必要があるので、暫くの期間他の部屋で生活をする、家財をレンタルロッカーに預けるなどの事が必要になる場合も有ります。

又、リフォームでは材料を一時的に置いておくスペースや加工をするスペースも必要なので、それなりにお客様の協力が無いと出来ません。

又、納まりや無駄な作業が発生しないようにするために、ただ単に数回に分けてリフォームを行うのではなく、最初に全体設計を行い、工事者側から見た合理的な施工区分けとお客様の希望をうまく調整し、「どこから始め、何回で行うか」を最初に決めておくことが成功のポイントになります。

4.引越しした場合と在宅の場合のメリット、デメリット(費用・工期・環境)

築25年のマンションで間取り変更はほぼ無い状態でフルリフォームを行った場合

「一回で全てをリフォームするA案」と、「在宅で4回に分けて行うB案」を、費用・工期・環境の面から比較してみました。

「A案の一回で行うリフォーム」では税抜きのリフォーム費用が1000万円とすると、その他での大きな費用は家財の預け入れとご本人の仮住まいになります。

家財の引っ越しと預かり費用は平均的に60~80万円程度、仮住まいをウイクリーマンションで行った場合の費用は2名だと70~100万円、3名だと100~120万円が相場の様で、その費用合計は130~200万円程度と考えられます。

結果、リフォーム総費用は1130万円~1200万円になります。

「B案の在宅のままで行った場合」工事が「小規模になる事」で製品値引きが少なくなることや工費が少し割高になり全体で約6~10%増の1060~1100万円程度と試算されます。

上記①②の結果から、費用面では在宅リフォームの方にメリットがあるという事がわかります。

在宅で分割して行った場合、全体金額で70~100万円程度安くなる事が分かります。

次に工期です。

”一回で行うA案” は約2.5~3ケ月になり、週にすると10~12週になります。

”B案の場合” 全体では12~16週程度になります。

1回の工事の平均工期は3週間から4週間になります。

但し、一つひとつの工事は別契約になる事や次の工事の準備等を考えると、工事から工事の間隔は最低でも3ケ月~6ケ月は必要かと思います。

「お客様が一度通常の生活に戻るため」にも、「リフォーム会社が次の体制を整える為」にも6ケ月は必要ではないかと感じています。

この方式は、当社が「新しい考え方として採用するもの」で、これから工事が終わったお客様の意見や当社の担当者の意見を聞きながらアップデートして行こうと思っています。

在宅で行う場合には水回り3点リフォームの場合、トイレは日中使用出来ない日数が3~4日有ります。夜間は便器を戻しますので使用できます。

洗面台は3週間程度使用出来ません。更に洗濯機も出来ればコインランドリーの利用をお願いしています。ご近所に無い場合には、夜間の使用を可能にすることは出来ます。

浴室が使用できない期間は2~3日ですが、脱衣洗面所は工事現場状態ということをご承知おきください。

一番難しいのが居室です。まず家財道具は基本的にレンタル倉庫に預けて頂きます。

工事中居室は基本的に使用出来ません。仮に2部屋の場合には一部屋を完成させたら、そちらに移動して頂き、もう一部屋の工事を行います。

相当に大変になりますので、状況によってはこの期間中だけでもウイクリーマンション等に仮住まい頂くという方法もあります。

日数は10日~2週間位と思われます。

5.リフォームローンと資金計画

最後に資金計画のお話です。

マンションのフルリフォームでは約1千万円からの資金が必要になります。

分かりやすいように以下の様に4分割してみました。

  1. 水回り3点リフォーム(浴室・洗面・トイレ) ・・・300万円
  2. キッチン+ LDK+玄関廊下       ・・・400万円
  3. 居室1+2                ・・・200万円
  4. 居室3                 ・・・100万円

◆リフォーム費用の1000万円を全額銀行のリフォームローンを利用したいとお考えの場合で、上記の様に4回に分けて行うケースではリフォームローンを組むことが出来るのかと云う点が心配でしたが、私が取引銀行の担当者に伺った話では以下のような内容でした。

銀行によって少し内容は違うかと思いますが、参考にしてください。

まず、基本的にリフォームローンは銀行により上限金額がある様です。

又、個人の収入により融資の限度額が設定されます。

その上で、まず全体計画と予算書をお持ちいただき、ご相談に来ていただければと云う事でした。

仮審査の結果リフォームローン1000万円の融資が下りるようであれば、

第一回目の水回り3点リフォームでまず300万円を借ります。次に1年後にキッチン等の400万円を借りる際には一回目のリフォームローンの残金に今回の400万円を加算して新たにローンを組みます。

この様な考え方で、1000万円の限度まで融資を受ける事が出来るそうです。

この分割式マンションフルリフォームの考えで行えば、リフォーム間隔を「6ケ月で行えば1年半」「1年毎に行えば3年」で全ての部分のリフォームが完成します。

上記の様にリフォームを計画的に考えることで、人生の中でも大きな費用と時間を要するリフォーム問題を解決でき、快適な生活が続けられるのではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

是非参考になさってください。

アリキリリフォーム株式会社 代表取締役社長 常田 豊



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