◆誰も知らない、誰も言わない中古マンションの実態・・・
新築マンションの値上がりが激しくなり、同時に築年数の新しいマンション価格も上がり、築年数20~30年の中古マンションは比較的購入しやすく検討される方が多くなっています。
この様に築年数の比較的古いマンションは価格もお手頃で購入もし易く、既にリフォーム済のリノベマンションでは無く、ご自分でお好みのキッチンや内装を選んだり、間取りの変更などが出来るオーダーメイドリフォームをお考えの方には大きなメリットがあります。
その反面、『断熱性能や配管の劣化』などの問題もあり、入居後に大きな問題になるケースが多発しています。
また、断熱性能や配管の劣化に対する改善工事を入居後に行ったとすると、入居前のリフォームで同時に行う場合に比べ3倍~5倍もの費用が掛ってしまいます。
当社では築年数の古い近隣の大規模マンションでのフルリフォームの際に「かび・結露」のお悩みや「配管からの漏水」のご相談を頂く機会が多かったので、以前から問題意識を持っておりました。
事前にこのブログでどんな問題があるのか知って頂く事でそうした失敗を防ぐことが出来ます。
■あるお客様からこんなご相談を頂きました。
中古マンションを購入し、リフォームを行い住み始めたら『2年後に居室にカビが発生したが、なぜなのか?どうすればよいのか?』と云うご相談です。
現場に伺い調べてみると、壁には断熱工事がされて無く、クロスを貼り換えただけでした。
更にお話を伺うと、ご自分たちはそんなことは一切知らなかったし、リフォーム業者からの話も無かったという事でした。
もし、「中古マンションにはこうした根本的な問題点が有る」という事を知っていれば、その時点で断熱工事を行っていたとお客様は話されました。
この様に古いマンションでは断熱工事不足や配管の劣化などの問題があるにもかかわらず、世間ではあまり知られておりません。
すでにこのブログを読み始めてくださっている皆さま他、多くの皆さまにこうした事実を知って頂き、「失敗リフォーム」が増えないことを望んでおります。
これから中古マンション購入をお考えの方にはきっとお役に立つと思いますので是非ご熟読頂ければと思います。
【目次】
1.誰も知らない、誰も言わない中古マンションの実態・・・
2.実際に起きた問題事例
1) 断熱材がほとんど無く、リフォームの2年後に壁にかびが発生・・・
2)入居後5年目に床下の給水管から漏水、階下に被害・・・
3.入居前と入居後に行った場合の結露防止と配管交換の費用差は?・・・
1)結露防止断熱工事の費用差は?
2)配管交換の費用差は?
4.「入居後の30年間を後悔しないで暮らす」 購入時リフォームの考え方・・・
1)急がないでじっくりリフォームに取り組む
2) リノベ済マンションでは断熱工事と配管交換を確認する
3)どのリフォーム業者も同じと思っていませんか?
4)安心安全なリフォーム会社の探し方
5.築年別中古マンションとリフォーム選択と組み合わせ
1)築年数と必要なリフォームとの関係
2)物件価格とリフォーム費用の組み合わせ
1. 誰も知らない、誰も言わない中古マンションの実態・・・
世間ではあまり話題になっていないようですが、完成が2000年以前の比較的古いマンションでは、『断熱性能不足と金属給水配管等の劣化』に問題があります。具体的には・・・
➀断熱性能の不足によるかび結露の発生
②劣化給水配管からの漏水事故の発生の2件です。
2000年前後に上記に関わるいくつかの規準の改正があり、それ以降に建てられたマンションでは断熱も配管劣化問題も少ないと考えられますが、それ以前のマンションでは断熱性能不足が原因による『壁内結露』が発生し、結果としてカビが発生するという事例が多く報告されています。
又、金属製の給水管や給湯管が使用されているマンションでは『配管劣化』が原因の漏水事故が発生しています。
上記2つの問題は現在に至るまで法律上の明確な義務規定が無く、その建物でどうなっているかが明確ではありません。
断熱材不足によって起きるカビの発生はリフォームから2~3年後くらいに発生する事が多く、何度クロスを貼り換えても問題は解決しません。
又、給水管や給湯管の漏水はいつ起きても不思議では無い状態で時限爆弾が仕掛けられているようなものです。
2.実際に発生した問題事例
1)断熱材がほとんど無く、リフォームの2年後に壁にかびが発生・・・
こちらのお客様は完全リフォーム済、俗にいう『リノベマンション』を購入しましたが、入居して2年目の春頃に壁のコーナー部分にカビの発生を確認されました。
このマンションは築30年程のマンションで、お客様はリフォーム後にカビが発生するなどと云う事は全く想像もしていませんでした。
不動産業者に掛け合ったもののらちがあかず、当社にご相談に来られ、確認した所クロスを貼ったボードの内側にもカビの発生が見られました。
この様なカビが発生する原因の多くは『壁内結露』と呼ばれるもので、冬場に冷却されていたコンクリート壁に室内の暖かい空気が接触して結露が発生します。
この結露水は石膏ボードに吸い込まれ適度な室温によりカビが繁殖します。
対策工事は壁や天井の石膏ボードを剥がし、断熱工事をしっかり行う事になります。
少し専門的になりますが、「一般的な断熱工事」と「結露防止の断熱工事」は観点が違います。
「一般的な断熱工事」では、断熱材を入れた面積と厚みで断熱性能が決まりますが、「結露防止の断熱工事」では断熱材を幾ら厚く入れても、隙間が有れば結露が発生します。
隙間が出来ない様に徹底的に丁寧な施工が求められます。
当社ではこうした結露の原理原則を学んだ現場担当者と当社の結露防止断熱工事に慣れた大工さんによる施工で、他社とは一味違う精度の高い断熱施工を行っております。
2)入居後5年目に床下の給水管から漏水、階下に被害・・・
又、配管劣化を放置したリフォームでは入居後に思いもよらない漏水で水回りのやり替を迫られる事にも成りかねません。
こちらのお話は不動産業者さん仲介のリフォーム業者さんにフルリフォームをお願いし、打ち合わせから3ケ月程度で工事が完成したというお話です。
お客様は仕事が忙しかった事と、業者を信用してしまった事から、細かな打ち合わせも無しに「金額が予算内で収まる事」と、「工期を短縮してくれる」という理由でお願いをし、他の事はほぼお任せ状態でした。
ところが入居後5年が過ぎたころ下階の方からの連絡で漏水している事が分かりました。
幸いな事に被害は軽微で、原因は金属製給水管のネジ部の腐食による漏水でした。
昔の給水管はVLGPと呼ばれる『鉄管の中に塩ビ管が入っている管材』で、継ぎ手はネジ接合で弱く、さらに漏水の可能性も高く、錆や腐食の発生も問題でした。
その為に地震の揺れで接続部分のネジに亀裂が入り漏水したり、内外部の錆により漏水が発生する事も有ります。
因みに2000年頃からは給水管も給湯管も樹脂製になっており、錆も無く、更にOリングを使用した接続継ぎ手により、職人さんの技量による漏水の可能性がほぼなくなり大変安全性が上がっています。
3.入居前と入居後に行った場合の「結露防止」と「配管交換」の費用差は?・・・
1)結露防止断熱工事の費用差は?
入居前に造作をすべて解体したスケルトン状態で結露防止断熱を行った場合の費用は一部屋で約20万円程度です。
3部屋で有れば60万円と云う事になります。
しかし、入居後居住状態で行うと一部屋約70万円位で、3部屋では210万円と云う事になり、その差額は、150万円にもなります。
入居後に行う場合には生活しながらの作業になるので、一部屋づつ行う事になります。
工期は一部屋約1週間~10日位で、3部屋の場合でも約1ケ月の工期が必要です。
更に「一部屋工事が終わる度に、家具を戻し、次の部屋の家具移動」とお客様の負担も大変になります。
2)配管交換の費用差は?
配管交換は入居前にスケルトンリフォームで行う場合には40~50万円程度の費用で済みますが、入居後に行った場合にはユニットバスやキッチンの取外しが必要になる事も考えると恐らく200万円は下らない程度の費用が掛ると思われ、入居前と後での費用差は150万円程と思われます。
4.入居後30年間を後悔しない購入時リフォームの考え方・・・
1)築年数20~30年の古いマンションにお薦めのスケルトンリフォーム
今までのご説明で築年数の古いマンションでは『断熱不足と配管劣化』と云う問題が有る事がご理解頂けたと思います。
ではどのような方法でこの問題を解決するのが良いのでしょうか?
その方法は全てを新しくする「スケルトンフルリフォーム」です。
この方法は、床壁天井など全ての造作を撤去しコンクリリート剥き出しの状態からリフォームを行うもので、新築時にマンションの部屋を作る方法と全く同じです。
この方法ならば障害物が無いので、断熱も配管のやり替えも新築同様に比較的安いコストで行う事が出来ますし、設備機器を含め、すべてが新しくなるので、以降30年間は新築同様に安心安全に住まう事が出来ます。
2)「安い!早い!」の誘惑に騙されないでください
ここまで読んで頂いた皆様は大丈夫だと思いますが、当社にお問い合わせ頂くお客様の多くの方が3ケ月程度での完成を望まれています。
確かにどんな工事でも良いのであれば上記の様に短期間で完成させる事も出来るでしょうが、本当に今後30年間安心安全、そしてご満足いただく為には、施工までの準備やしっかりした工事工程の確保が必要になります。
一般的な日数ですが、フルリフォームであれば
➀打ち合わせから契約までは2~3ケ月
②契約から着工までが1ケ月~1.5ケ月
③実際の工期は2~3ケ月
となり、打ち合わせ開始からから完成まで、最短でも5ケ月程度、少し長くなると7.5ケ月が必要です。
3)どのリフォーム業者も同じと思っていませんか?
確かにリフォームではユニットバスやキッチンなどどこの会社でも同じように有名メーカーの製品を使用していて、一見何の差も無いように見え、どのリフォーム会社に頼んでも同じと考えてしまうかも知れません。
しかし実際にはそんなことは全く無く『設計、施工管理、職人の施工』と云うリフォームの心臓部分で大きな差が有ります。
安い金額、短い工期では上記の重要部分に十分は費用が掛けられない為に、見た目は同じでも中身は全く違う訳です。
安い金額、短い工期は、悪いリフォームと同意語で、『安いは悪い、短いは悪い』と云う事です。
・安いリフォームは時間が無いので設計段階で色々な検討が出来ません。
・安いリフォームは十分な作業日数は取れません。2日必要な工事を1日で終わらせます。
・安いリフォームは現場管理に行きません。
これで、お客様の満足行く、いい品質のリフォームが出来たら奇跡としか言えません。
4)安心安全なリフォーム会社の探し方
安心安全なリフォームはどんな会社でしょうか?
➀価格が一般的である事
②工期が一般的である事
③「かび・結露断熱」に関して、ノウハウと経験がある(結露断熱と普通の断熱は考え方が違う)
④「配管の改修」に関してノウハウと経験がある
⑤施工管理を頻繁に行ってくれる会社
上記の条件を満たしていれば、ほぼ心配ないと考えられます。
業者さんとの相談の際には上記に関して質問をし、実績と併せて十分確認してください。
【番外編】
不動産業者が紹介してくれるリフォーム会社さんにも上記の質問は必要です。
多くの不動産会社は仲介したお客様に、知り合いのリフォーム会社を紹介してくれます。
当然ですがリフォーム会社さんからの紹介料が不動産業者に行く仕組みになっています。
なので紹介された業者さんもリフォーム業者さんの中のひとつとして捉え、他のリフォーム業者さんと同様、実際にお会いして具体的にリフォームのご相談をすることをお薦めします。
5.築年別中古マンションとリフォームの組み合わせ
1)築年数と必要なリフォームの関係
➀築10年以内の比較的新しいマンションを購入、20年間程度は大きなリフォームは不要
・断熱及び配管の交換は不要で更に設備機器もまだ20年程度は使えるので、当面は給湯器や洗浄便座などの交換だけ考えれば良いです。
②築15~20年位の中間的なマンションを購入、傷んだ所から少しずつリフォーム行う
・断熱及び配管の交換は必要ないですが、設備機器は10年程度の寿命なので、悪くなった所からいずれリフォームを行う事になりますが、急いでいっぺんに行う事も有りません。
③築25~35年位の比較的古めのマンションを購入、スケルトンでフルリフォームを行う
・この年代のマンションでは断熱及び配管の交換が必要な可能性が高く、設備機器もほぼ寿命ですので、大規模なリフォームで費用対効果の高いスケルトン方式でリフォームを行う事をお薦めします。
尚、何回かに分けて行うのではなく、一度で行いたいという場合にも、この年代であればスケルトンにする必要は無く、➃造作を極力残して行う方式のフルリフォームが可能です。
2)物件価格とリフォーム費用の組み合わせ
最終的には・・・
➀マンションの購入価格
②入居時のリフォーム費用
③設備や➃造作の残存寿命
の組み合わせで、どう考えるかと云う事になります。
以下に簡単な計算例を示します。・・・
■築5年で4000万円のマンションは、ほぼそのままで約20年間住むことが出来ます。
≪購入時の総費用≫
購入費用=4000万円
リフォーム費用= 0円
購入時総費用=4000万円
*フルリフォームが25年後に必要になる。
■築10年で3300万円のマンションは入居時に200万円程度のリフォームで約15年間住むことが出来ます。
≪購入時の総費用≫
購入費用=3300万円
リフォーム費用=200万円
購入時総費用=3500万円
*フルリフォームが20年後に必要になる。
■築25年で2200万円のマンションは入居時に1000万円でフルリフォームをすれば以降25年間は大きなリフォーム費用無しで住める。
≪購入時の総費用≫
購入費用=2200万円
リフォーム費用=1000万円
購入時総費用=3200万円
ざっとこの様な計算が成り立つと思われます。
≪最後に・・・≫
購入前後で当社にご相談頂く多くの方が、3ケ月程度で入居されたいと希望されます。
内容を無視すれば出来ない事は無いと思いますが、問題が起きた際に掛かる費用は大変大きく、多くのお客様が根本的な対策を諦めているようです。
この問題はとても大きな問題だと私は認識しています。
こうした事を事前に知って頂き自己資金を準備するとか、ご両親から少し資金援助を頂くとか、何らかの手当を行い、入居前リフォームに必要な費用を掛けることで入居後の予想外の出費を防ぎ、以降の30年間を安心安全にお住まい頂けます。
このブログを読んで頂き、工期が少し長くなり、無駄な様に思えた家賃の30~40万円は実は大きな節約になる事にお気づき頂ければ幸いです。
この私の考えにご賛同を頂き興味を持たれた方は、是非一度ご相談頂ければと思います。
お力になれればうれしい限りです。お待ちいたしております。
最後までご熟読頂きありがとうございました。
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