リフォームを検討するときには、相見積もりを取るのが一般的になりました。
リフォームは、場合によっては数百万もの費用が発生することから「少しでも安い業者を選びたい」との思いから、相見積もりを依頼する人が多いようです。
しかし実際に見積もりを取るとなると、
どのように依頼すればいいのかわからない方もいるのではないでしょうか?
また、見積もりを取ったものの、どの業者を選べばいいのか迷う人も少なくないでしょう。
そこで今回は、現役リフォーム会社社長の視点から見た、
リフォームにおける相見積もりの取得方法と、見積もりをもとにした業者の選び方をご紹介します。
●リフォームにおける相見積もりとは?
まずは、リフォームで相見積もりが必要な理由と、見積書の基本的な構成をご紹介します。
●相見積もりがなぜ必要か?
「相見積もり」とは、複数の施工業者から見積もりをもらって比較することを意味します。
多くの人にとって、リフォームを依頼するのは初めての経験になります。
金額の相場や一般的な工事内容を把握するには、複数業者から見積もりを取り、比較するのが簡単です。
しかし相見積もりするもっとも大きな目的は、
「大切なマイホームを任せられる良い業者を見分ける」ことです。
相見積もりを単なる「価格の比較」と捉えていると、リフォームの成功が遠のいてしまうかもしれません。
相見積もりは、見積書や見積もり依頼時の業者の対応などを通して見える、
リフォームに対する業者の姿勢や信頼性を確認するためのものと考えることが大切なのです。
●見積もりの基本的な構成
見積書の構成は、業者によって異なりますが、以下のようになっているのが一般的です。
①材料費:住設機器(キッチンや便器など)、建材(フローリングやクロスなど)、建具(ドアやふすまなど)
②工事費:既存内装の撤去費や新規取りつけ、フローリングやクロス張りといった内装工事費など
③経費:材料費と工事費以外の費用全般
「一式」はNG?
見積書では、よく「一式」の表現が問題とされます。しかし実は「一式」には2通りの使い方があります。
・費用をあいまいにするため
・ 費用をわかりやすくするため
たとえば、明確に費用を分けられるにもかかわらず
「トイレリフォーム一式」「キッチンリフォーム一式」などとしている業者は、費用をあいまいにしてごまかそうとしていると考えられ、できるだけ避けるのが賢明です。
一方「洗面所床クッションフロア張り替え工費一式」「窓枠塗装工費一式」など、施工面積が狭く対象が特定されているような場合や、材料を少しずつしか使わないような場合には、「一式」としたほうがわかりやすくなります。
「一式」になっているからその業者はNGと判断するのは早計です。疑問に思ったときには業者に説明を求め、どちらの意図があるのかを見極めるといいでしょう。
●依頼方法
相見積もりを取るときには、業者を公平に比較するために、条件をそろえて依頼することが大切です。
可能であれば予算と依頼内容を書き出し、間取りもあるなら添えたうえで、相見積もりを依頼する業者すべてに同じものを渡すのが理想です。
とくに予算については、正直に伝えておきましょう。
そうすることで、業者も予算内でできるベストなプランを立てやすくなります。
そういった意味でも、途中でリフォームプランを変更するのは厳禁です。比較する条件が業者によって違ってしまうと、正確な比較ができません。
さらに改善したいポイントや、不安に感じていることなども伝えておくのがおすすめです。
依頼側の心情にどれだけ寄り添って考えてくれるのかなど、価格だけではわからない、業者の誠意やコミュニケーション能力を見極めるのに役立ちます。
●相見積もり取得のポイント
ここからは、相見積もりを成功させるためのポイントを3つご紹介します。
●部屋ごとにまとめる
見積書は材料費・工事費・経費で構成されていると前述しましたが、その記載方法も業者によって違いがあります。
大きくは、上記3つの項目ごとにまとめる方法と、部屋ごとにまとめる方法があります。
工務店では項目ごとにまとめるのが一般的ですが、この方法だと部屋ごとの個別の予算が見えづらいのが欠点です。
部屋ごとに見積もりがまとめられていると、今回は予算がオーバーするので寝室は次回にしようなど、計画を修正しやすくなります。
相見積もりを取るときには、見積もりは部屋ごとにまとめてほしいと依頼するのがおすすめです。
●相見積もり取得の注意点
相見積もりするときに、できるだけ多くの業者から見積もりを集めようと考えないことも大切です。
依頼する業者は2〜3社、多くても5社以下に絞り込むようにしましょう。
確かに多くの企業から見積もりをもらうと、多数提案されたなかから安くていいプランを選べるような気がします。
しかし実際は、見積もりしてもらう企業が多くなればなるほど、比較する要素が増えて業者を選ぶのが困難になるものです。
また見積もりに際しては、業者の対応を見るためにも、実際に自宅を見に来てもらう必要があります。あまりに多くの業者に依頼すると、個別に対応するのが大変です。
かといって複数の業者を同時に呼ぶと、業者は軽んじられているように感じてしまい、いい気持ちがしません。
結果的に良心的な見積もりをもらえなくなってしまう可能性があるので、相見積もりを依頼する業者は5社以下に絞り個別に対応しましょう。
●地域業者は必ず入れるべき
相見積もりを依頼する業者を選ぶときには、地域業者を入れることも重要なポイントです。
リフォームで相見積もりを取るときに、インターネット上のポータルサイトを活用する人が増えています。
確かにポータルサイトは、条件を入力するだけで一度に複数の業者から見積もりが取れて便利です。
一方リフォーム業者は、お客様を紹介されるたびにポータルサイト側に紹介料を払い、契約が成立するとさらに工事費の数パーセントを支払う必要があります。
そのためポータルサイトに手数料を支払うより、顧客に還元して少しでも安く良質な工事を提供したいと考え、ポータルサイトを利用しないリフォーム業者も少なくありません。
ポータルサイトだけに頼ると、そのような地元密着で営業している優良なリフォーム業者を見落としてしまう可能性があります。
相見積もりを取るときには、地域で地道に活動している業者も探し、依頼するのがおすすめです。
●相見積もりの比較方法
ここからは、相見積もりを取ったあと、業者を比較する際に知っておきたいポイントを解説します。
●見積書の 比較時に注目するポイント
見積書を比較するときに、注目するべき具体的なポイントは以下の3点です。
1.機器類の性能や定価
自分が必要とする機能が備わっているかを確認しましょう。
また、住設機器は値引きされているのが一般的なので、もともとの定価がいくらなのかも合わせてチェックします。
2.取りつけ費やクロス張りなど工事費
材料費と工賃が別々に記載されている場合は、合算したうえで比較します。
3.経費
経費は業者によって異なりますが、15〜25%程度を計上している会社がほとんどです。
1と2に関しては、機器の値引率を大きくして工事単価を高く見せるところと、値引きは抑えて工事単価を安く見せるところがあります。
トータルすると同じ費用になる場合には、工事単価が安いほうが、高いほうより工事の質が悪いとは限らない点に注意が必要です。
●見積もり金額の差の理由
見積もり金額に差が出るのは、以下のような点に違いがあるのが理由と考えられます。
• 見積もり精度
• 工法や材料の選択
• 薄利多売か品質重視かなどの経営方針
• 職人さんの手間賃
• 住設機器や建材などの仕入れ価格
多くの場合、理由は複合的であるため、差がつく原因を見積書だけから見極めるのは困難です。
●チェックポイント
同様の住設機器が計上され、工事費とのトータルコストが変わらないようなら、最終的には経費も含めた総金額が安い業者が価格面では良心的と考えられます。
ただし他社よりも2割以上安い業者は、目に見えない形でコストを落としている、あるいは成約後に追加工事で総額を増やそうとしている可能性があるので避けたほうが無難です。
さらに相見積もりを通して感じた対応の良さや、コミュニケーションのしやすさも考慮して選びましょう。
最終的に費用も対応の質もさほど変わらないようであれば、地元で営業している業者を選ぶのがおすすめです。家はリフォームしてそれで終わりではありません。
リフォーム後も何十年も住み続けることを考えると、地域にある業者なら、なにかあったときにすぐにかけつけ相談に乗ってくれる「ホームドクター」となってもらえるので安心です。
●まとめ
1.リフォームを依頼するときには、相場を見極め、対応のいい業者を選ぶためにも相見積もりするのがおすすめです。
2.相見積もりを依頼するときには、業者を公平に比較するために、依頼内容や予算などの条件をそろえることがポイントです。
3.最終的に依頼する業者は、トータルコストだけではなく、相見積もりを通して感じた業者の対応のよさやコミュニケーションのしやすさを考慮して選びましょう。
4.地元業者であれば、リフォーム後もホームドクターとなってもらえるので安心です。
なお、今回の内容を踏まえたうえで、さらに細かく業者を比較できるチェックシートをご用意しました。
業者ごとにチェックシートを作成し、比較検討するのにお役立ていただけると幸いです。
チェックシートは以下からダウンロードできますので、ぜひご利用ください。
●相見積りの依頼前には「リフォーム参考費用」の確認をおすすめします。
●当社の歴史及び実績、経営理念など、会社概要よりご確認いただけます。
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