毎日のようにキッチンを使っていると調理器具や食品が増え、収納場所に困ることがありますよね。
「もっと収納があれば便利」「上部の空いたスペースを有効活用したい」というように、キッチン収納に不満を抱えている方も多いのではないでしょうか。キッチンの収納に関する悩みは、背面収納や吊り戸棚を設けるリフォームなら効果的に解決ができます。
今回は、キッチン収納の種類や増やし方、費用のこと、キッチン収納選びの8つのポイント、施工事例など「キッチン収納」についてご紹介していきます。 使い勝手の良いキッチン収納にするため、ぜひご参考ください。
●キッチン収納の種類
まずは、キッチン収納の種類について見ていきましょう。
●背面収納
対面キッチンやアイランドキッチンに立ったとき背後の壁に面して設ける収納を「背面収納」と言います。
後ろを振り向きながら作業に必要な物が取り出せて便利です。 カウンターや食器棚や吊戸棚を組み合わせたタイプ、天井の高さまで棚を設けて全面で収納できる大型タイプなどがあります。
●吊り戸棚収納
キッチンの天井から吊り下げて取り付けるのが「吊り戸棚収納」です。
収納量が増えキッチン周辺がすっきりします。
キッチン上部のデッドスペースの有効活用ができるのもメリットです。
吊り戸棚収納では、電動昇降式を検討される方もいるかと思います。
ただ、機械の寿命は10~15年と短いことも多いです。
部品の保有年数を過ぎると修理ができないデメリットもあります。長く使える手動式の方がおすすめです。
●スライド収納型キッチン
システムキッチン本体の収納を引き出し式にしたのが「スライド収納型キッチン」です。
開き扉収納では、「奥の物が収納しづらい・取り出しにくい」という方も多いです。
スライド収納型のキッチンなら、奥の物が取り出しやすくなります。
また、開き戸と比べると収納容量が30%ほど増えます。収納自体をコンパクトにまとめることができます。
●床下収納
キッチンの床を利用して作るのが「床下収納」です。
ふだん床下に隠れているスペースを利用するため、収納を設けてもキッチンが狭くならずに、見た目の影響もありません。
ただ、収納時に膝を折り曲げる動作となることで、使い勝手の悪さを感じる方も多いです。
また、床ががたつくこともあり、あまりおすすめではありません。
●キッチン設備の交換
「収納量が足りない」「収納はあるけど使いづらい」という場合、これまでのキッチン設備を交換することで収納力もアップします。
「床に放置している物」
「重ねて置いて下にある物を取り出しにくい」
「収納の奥にあって賞味期限切れになった」など、
物が溢れかえっているケースもあるのではないでしょうか。
カウンターや棚などを設けると圧迫感が出るのではないか…と心配される方もいますが、収納スペースが増えることで「何をどこに収納するか」が定まり見た目がすっきり。作業効率も良くなるでしょう。
●キッチン収納選択8つのポイント
キッチン収納は作業効率とも関わるので、デザイン性だけでなく、
“使いやすさ”という視点でも選びたい物です。
そこでおさえておきたいポイントを8つ、ご紹介していきます。
1.アイレベルに合わせて収納しやすいのが昇降収納
キッチン収納で重視したいのが「目線の高さ=アイレベル」です。
目線より高い収納だと、“背伸びしなければならない”、もしくは“踏み台が必要”と使い勝手が悪くなります。
吊り戸棚を使いやすくするには、棚の位置を手動で変えられる昇降収納がおすすめです。
2.収納扉の開閉種類はキッチン環境に合わせて選ぶ
水はねや油の飛び散り対策になる扉付きの収納ですが、扉の開閉種類はキッチン環境に合わせて選びましょう。
手前に開く「開き戸」、左右にスライドさせる「引き戸」、扉を折りながらスライドさせる「折れ戸」というように、開閉方法によって特徴が異なります。
キッチンスペースが狭い場合、物の出し入れ時に扉を全開しなければならない開き戸より、開閉時に場所を取らない引き戸が便利です。
扉を折って開閉する折れ戸ならフルオープンできるため、収納内部を一度に見られます。
また、キッチンと揃えた背面収納を選ぶと、統一感をもたせられます。
ただ、同じシリーズでサイズが一緒の収納でも、扉の違によって価格は異なります。
収納扉は、デザインやカラーで印象が変わりますが、使い勝手に影響する「開閉方法」も踏まえながら慎重に選びましょう。
3.奥行きは短く
背面収納の奥行きは短めにしましょう。
奥行きを長めにすると収納量は増えますが、奥の物が取り出しにくくなります。背面収納は頻繁に使う物を出し入れすることが多いため、奥行きを短くすると作業効率もアップします。
4.棚の高さを変えられるように
棚の高さをいつでも変えられるキッチン収納を選びましょう。
キッチン収納は、食材や食器、調理器具などさまざまな「大きさ・形状」の物をしまいます。
ふだんよく使う食器類を入れるのは低めの段、あまり使わない物は重ねて入れるので高めの段…など、物に合わせて高さを変えられるとデッドスペースのない収納になるでしょう。
5.日常的に使う家電の置き場所にはカウンターを設置
背面収納にカウンターを設けることで、家電を置くスペースができます。
電子レンジや炊飯器、トースターなどは日常的によく使う家電です。
しかし、水や油がかかると故障の原因になるため、キッチンの作業台に置くのは心配ですよね。
背面収納の一部にカウンターを設けると、調理でよく使う家電をまとめられてすっきりします。
6.目的に合わせて収納量を検討
どんな家電や調理器具を使いたいかなど、ふだんのキッチンの使い方から自身に合った収納量を考えましょう。
たとえば、「現在持っているキッチン用品を全部収納したい」と収納を増やせば、不用品がどんどん溜まるかもしれません。使わない物を入れたままの収納スペースは “使っていないスペース”と同じことで、結果的にデッドスペースです。
「毎日絶対使う物・使用頻度は少ないけれど使う物」以外は、断捨離ですっきりさせ、最低限の収納量を検討してみてくださいね。
7.作業動線を考える
実際にキッチンに立ち、作業動線を具体的にイメージしましょう。
「作業台で食材をカット」「背後を振り返って食器を取り出す」「ラップを出す」「オーブンで焼く」…など、調理中の動作はさまざまです。
使い勝手のいいキッチン収納にするため、便利にスムーズに動けるようにシミュレーションしてみることをおすすめします。
8.家電収納、ごみ箱、パントリーを考慮する
忘れずに考慮したいのが家電やごみ箱、パントリー(食品保管場所)です。
900~1200 mm幅のカウンターを設けることができれば、家電を並べることができます。その下の空いたスペースにごみ箱を置けば、動線もスムーズになるでしょう。
キッチン回りは電子レンジや電気ポット、炊飯器など消費電力が大きな家電が多いため、専用回路での使用できるように電源確保が重要です。
また、常温で保存する食品を保管できるパントリー(食品保管場所)も忘れずに確保しましょう。
●キッチン収納の増やし方と費用
キッチン収納はDIYやリフォームで増やすことができます。それぞれの費用についても見ていきましょう。
●DIYで収納を設置する場合
カラーボックスなら1個1000円程度の材料費だけで済みます。複数並べても数千円ほどと低コスト
キッチンボードもDIYで設置できます。材料費の数万円ほどで収納を増やせるでしょう。
ただし、DIYの場合、カラーボックスの設置など簡単な収納となることがほとんどです。
収納力はあまり期待できないかもしれません。
吊戸棚のような本格的な収納を追加するにはリフォーム工事が必要となりますが、大容量で収納力が期待できるでしょう。
●リフォームの場合
吊り戸棚や背面収納、床下収納などをリフォームで設置できます。
吊り戸棚や床下収納は5~20万円程度と比較的リーズナブルですが、キッチン周辺のサイズに合わせて造作する背面収納は20~50万程度と高くなる傾向です。大きさや素材、扉の種類でも価格は変わります。
また、キッチン本体のキャビネットや吊り戸棚などを交換して収納を増やすことも可能です。施工範囲や内容によっても異なりますが、10万円程度からの施工が可能で高ければ100万円ほどかかるでしょう。
●当社の施工事例
アリキリリフォームで手掛けたキッチン収納リフォームの施工事例を2つご紹介していきます。
1.対面式キッチンに、スペースたっぷりの背面収納を設置
・リフォーム範囲:水回り(キッチン、浴室、洗面台)、床暖房設置
・システムキッチン:LIXIL/リシェルSi
・施工期間:2か月
・全体の費用:700万円
・キッチン部分の費用:226万円
・収納部の費用:42万円
リフォーム詳細はコチラ
「古くなった水回りを一新したい」という施主様のご希望でキッチンや浴室など水回り全体をリフォームしました。
現況は壁付けタイプのキッチンでしたが、対面式キッチンにしたことでリビングと対話しながらの作業ができます。
背面収納は収納力もあり、オーブンレンジなどの家電もまとめられてすっきりします。
作業台があり、調理中の一時置き場としても使えて便利です。
2.お掃除楽々なキッチンに、奥まで使いやすい昇降式の吊戸棚を設置
・リフォーム範囲:リビング・キッチン・居室カビ結露対策断熱リフォーム
・システムキッチン:LIXIL/リシェルSi
・吊り戸棚:吊戸H700/オートダウンウォール/クイックポケットLED
・施工期間:約1か月
・全体の費用:550万円
・キッチン部分の費用:182万円
・収納部の費用:25万円
リフォーム詳細はコチラ
築35年で目立った汚れはないものの、全体的なくすみと結露がお悩みだった施主様のご希望で、キッチン交換とカビ結露対策断熱工事を行いました。
既存のキッチンを解体したところ、やはり結露によりカビが発生していました。
キッチンリフォームでは見た目が重視されがちですが、カビが発生すると健康上にもよくありません。今回は、断熱材とビニールシートで見えないところもしっかりと対策をしました。
お掃除がしやすい素材でキッチンも清潔に保てます。 バーにタッチするだけで昇降できるタイプを採用したことで目線での収納が可能となりとても便利です。
●まとめ
収納を増やすリフォームにより、キッチンの使い勝手がぐっと向上することも多いです。
背面収納や吊り戸棚を取り付けるだけでも、食器や家電などの定位置となりスッキリとした見た目になります。収納量が増えると使い心地も良くなり、作業効率アップにもつながるでしょう。
キッチンリフォームをお考えの際には、今回ご紹介した「キッチン収納の種類」や「キッチン収納選択8つのポイント」をぜひ参考になさってください。
キッチン収納の増設については、キッチンリフォームの一部としてのみお受けしております。
アリキリリフォームでは、ご家庭のキッチン状況に合わせてさまざまなプランをご提案しております。お気軽にご相談ください。