投稿:常田 豊
わが家の水廻りまだ大丈夫?(1)港南区 アリキリ
築20年を過ぎると住宅も色々な部分の傷みが気になるのではないでしょうか。
「いったい浴室は何年ぐらい持つのだろうか?」、「コンロの調子が悪いけど、キッチンはまだ大丈夫なのだろうか?」、
「最近水がチョロチョロ流れているけれど、トイレはそろそろリフォームかな?」、
など水廻りの修理やリフォームの時期で悩まれるのではないでしょうか。
他の部分と違い水廻りが壊れて使用出来ないと毎日の生活に大きな影響が出て来ます。
今回はそんな重要な水廻りリフォームの時期や機器の寿命に関して分かりやすく整理してみました。
1.水廻寿命の基本的な考え方・・・
水廻りリフォームは、住設機器の交換が工事の大きな部分を占めます。
そして、ほとんどの水廻り機器は、本体と、いくつかの周辺機器から成り立っています。
一般に周辺機器は本体より寿命が短く、本体の寿命が来るまでに複数回の交換が必要になります。
浴室を例にとると、浴室本体とは、入口ドア、床、壁、天井、浴槽又は、ユニットバス本体
と言う事になりその寿命は約30年になります。
周辺機器は、ふろ給湯器、シャワー金具、換気扇、照明器具などを指しますが、
これらの寿命は約10年で、本体とは寿命が異なります。
他の水廻り機器の寿命もほぼ同じ考え方で、設置後、本体寿命30年までの間に
10年毎に2回の周辺機器の交換を行い、3回目には本体も含めて交換になります。
これが水廻りリフォームの基本的な考え方です。
但し、周辺機器の中でも使用頻度の高い、シャワー金具などは5年位で消耗部品が交換が必要になります。
ちなみに、この手の修理金額は15000円~25000円程度になります。
尚、周辺機器の中でも耐久性が比較的長い、換気扇、照明器具などは30年間位使用出来る場合も希にありますし、
ふろ給湯器など傷みの激しい機器は8年程度しか持たない場合もあります。
2.経過年数で並べる機器のメンテナンスと寿命・・・
水廻り機器のメンテナンスと寿命を時系列で並べると以下の様になります。
5年目 ・・・周辺機器消耗部品交換(メンテナンス修理)
10年目 ・・・周辺機器交換
15年目 ・・・周辺機器消耗部品交換(メンテナンス修理)
20年目 ・・・周辺機器交換
25年目 ・・・周辺機器消耗部品交換(メンテナンス修理)
30年目 ・・・再生リフォーム(本体を含め全交換)
3.水廻り機器の寿命をもう少し詳しく見てみましょう・・・
仮に、ふろ給湯器が壊れて、シャワーやキッチンのお湯が出なくなっても、浴室やキッチンを交換する必要はありません。
ふろ給湯器を交換すれば又、元通りに浴室もキッチンも使えるようになります。
しかし、30年が過ぎて浴室の折れ戸が壊れたとか、シャワー水栓が壊れたという場合には浴室の
寿命と言うことになります。
どの水廻りでも基本的な考え方は上記と同様なので憶えておいて下さい。
では、以下に部位ごとに具体的にお話しします。
■キッチン・・・
キッチンの本体寿命は30年位です。周辺機器は、レンジフード、水栓、ガスコンロ、食器洗浄機などがあります。
上記の周辺機器のなかでも、ガスコンロ、水栓は使用頻度も高く、傷みやすいために、寿命は概ね10年と考えて下さい。
他の機器類もほぼ家電製品と同じような作りなので、長持ちしても15年位です。
■浴室・・・
浴室は在来タイル式でもユニットバスでも本体寿命は30年位です。
周辺機器は、シャワー水栓、ふろ給湯器、換気扇又は浴室暖房換気扇などになります。
上記の周辺機器のなかでも、ふろ給湯器、シャワー水栓は使用頻度も高く、寿命は概ね10年と考えて下さい。
■トイレ・・・
トイレの本体はタンクと便器で、周辺機器は、洗浄便座、ペーパーホルダー、タオル掛け、手すりなどです。
今では多くのご家庭に洗浄便座が設置されています。
この洗浄便座の構造は複雑な家電製品でその寿命は10年位です。
タンク内部には水量をコントロールする、ボールタップ、フロートバルブと言う
消耗部品があり、こちらは5年くらいで交換が必要になります。
ペーパーホルダーやタオル掛けなどの寿命は30年と考えていて良いと思います。
■洗面ユニット・・・
洗面ユニットは洗面台、鏡部分と水栓で構成されています。
この中で周辺機器に該当するのは水栓になります。
水栓は止水を行うパッキングが消耗品で、5年くらいで交換になります。
最近はレバー式の水栓も多く、このタイプはパッキングに該当する止水部がカートリッジと
呼ばれる消耗部品で、カートリッジをそっくり交換する事が出来ます。
水栓自体は10年~15年は持つと思います。
4.人間と同じ、平均寿命と個別の寿命・・・
お客様に機器の寿命のご説明をさせて頂くと、5人にお一人くらいは、「そんなことないよ、
うちの風呂釜は15年も使っているけどまだ何ともないよ・・・」と云うお話しを伺う事があります。
こう言うケースも多々あると思いますが、私は「運がいいですね、良い機械に当たったのですね」と
お答えさせて頂きます。
おそらく、住設メーカーが設計上で設定している平均的な寿命は8~10年位だと思います。
ここで云っている10年寿命も機器の平均寿命とご理解頂ければよろしいいかと思います。
一般的には機器の部品を交換すれば、まだ使えるケースがほとんどなのかも知れませんが、
8~10年を過ぎると、「あちらを直せば、又、こちらが壊れた」と言うように連鎖的に
故障が発生します。
これを称して寿命と言うのではないかと私は理解しています。
余談になりますが、先日のニュースで日本人男性の平均寿命が初めて80才を超えたと報道していました。
人間でも平均寿命と言う物がありますが、平均寿命以前にお亡くなりになる方も
いらっしゃいますし、平均寿命を10年以上過ぎても元気な方もいらっしゃいます。
同じ事が水廻り機器にも起きると言うことですね。
寿命を知っているのは神様だけと言うことでしょうか・・・
5.平均的な金額と工事日数を知っておきましょう・・・
水廻りリフォームは選ぶ機器類によって大きく金額が変わります。
ここでは一般的に使用されている機器でリフォームを行った場合の概算金額と
工事日数をお話しさせて頂きます。(価格には消費税は含まれません)
【浴室】・・・ふろ給湯器含む
・戸建て/130万円~/1週間~
・マンション/100万円/2日~
【キッチン】・・・内装工事含む
・戸建て/100万円~/3~4日
・マンション/100万円~/3~4日
【トイレ】・・・内装工事含む
・戸建て/25万円~/1~2日
・マンション/25万円~/1~2日
【洗面】・・・内装工事含む
・戸建て/16万円~/1~2日
・マンション/16万円~/1~2日
6.ショールームで現物を確認しましょう・・・
商品はメーカーさんのショールームで現物を確認頂くのが一番だと思います。
ショールームにはアドバイザーがいますので、皆様の希望をお話し頂ければ、適切な商品を選んで頂けます。
実物を見るとカタログでは分からない大きさとか質感が分かるので、実際に
設置した際に、「ええ、こんなのだったの・・・」と言うことがずっと少なくなります。
リフォームを思いついたらいお買い物のついでにでもショールームに寄ってみて下さい。
7.どんな機器でも設置が出来るとは限りません・・・
ショールームで気に入った機器が見つかったからと言っても実際には設置条件が
色々有り設置が出来るかどうかはわかりません。
例を上げますと、マンションのトイレで壁から汚水管が出ているタイプがありますが、
この排便管の床からの高さは12㎝と15㎝の2種類があります。
便器によっては両方に対応出来る物もありますが、どちらかにしか対応出来ない物もあり、
設置が出来ないと言う事も出て来ますので、念のご承知起き下さい。
8.設備配管は人間の血管や消化器官と同じ・・・
少し余談になりますが、設備の配管は床下や壁の中にあるので見えない為か、存在感は
薄いのですが実は大変に重要な役割をしています。
給水給湯配管は人間の血管のような物で、給水管が塞がれば水の出が悪くなり機器が機能しません。
又、排水管は消化器官のような物で、細かったり勾配がゆる過ぎて流れないと
詰まってしまい大変な事になります。
![マンションユニットバスの床下配管 IMG_1108](/wp-content/uploads/2014/08/IMG_1108-225x300.jpg)
マンションユニットバスの床下配管
水廻りリフォームではこれらの配管の位置を変えたり、新しい機器に接続したりといった
手術のようなことを行いますが、この手術が悪いと詰まったり、漏れたりと言う事故が
発生する大変重要な工事です。
水廻りリフォームは機器が設置されて完成すると、どの工事屋さんが行っても見栄えは
同じに見えると思いますが、機能と言う点では見えない部分の配管工事をしっかり
行っているかどうかが実は非常に重要な事なのです。
業者さんのを選ぶ場合などにはこの辺のプロ目線のチェックもお考えて頂くと
間違いがなくなると思います。
9.マンションの水廻りリフォームは難しいです・・・
木造住宅と違いマンションでは構造的に動かせない柱、梁など大きな障害物があります。
キッチンやユニットバスのリフォームではこれらが障害になり上手く設置出来ない場合もよくありますし、
納まりをしっかり考えないでやるとみっともない仕上がりになる事もあります。
又、マンションでは外壁や室内の耐力壁に穴を開けたり、開口をする事が出来ないので
ダクトや配管の取り回しでも木造住宅にはない問題が出て来ます。
このようにマンションは構造や設備が戸建て住宅とは大きく違い非常に難しい面があります。
又、専有部分と共有部分の扱いや管理組合の独自のルールなどの規制もあり、マンションの
施工に不慣れな業者ではなかなか対応の難しい問題が色々起きる可能性があります。
そんな事で、国ではマンションのリフォームに特化した、「マンションリフォームマネージャー」と云う
資格を制定して、上記の対応を行っていますので、業者さんのホームページの有資格者一覧などで
ご確認下さい。
![マンションリフォームマネージャー P1110336](/wp-content/uploads/2014/08/P1110336-225x300.jpg)
マンションリフォームマネージャー登録証
今回はここまでです。
次回をお楽しみに・・・
一級管工事施工管理技士
マンションリフォームマネージャー
2級建築士
代表取締役 常田 豊
記事タグ: 横浜
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