投稿:常田 豊
リフォームは施工管理がいのち(4)最終回|アリキリ
このブログを書き始めた時には、1回で終わると思って書き出したのですが、
これからリフォームをされる方、リフォームで失敗して懲りてしまった方に当社を含めて、
『良いリフォームに一生懸命な会社』も多くある事と同時に、『儲ける為だけでリフォームやっている会社』も
ある事を知って欲しいと云う思いが強く、パート4まで来てしまいました。
このシリーズでは一貫して、『良い施工管理が、良いリフォームを実現する』と云うお話しをしてきました。
最終回の今回は良い施工管理が出来る条件や環境、特にその中での人間関係について話を進めて行きます。
良いリフォームが出来るのは、最後は人間性や人間関係なのだという事を、私自身このブログ書きながら、
改めて強く感じました。
■三方よしと云う考え方・・・
昔の言葉で、良いシステムとかやり方の事を三方良しという場合があります。
『関係者全員に満足や利がある状態』と、私は解釈しています。
お客様、元請け、下請けと云う関係者が『三方良し』の状態になっている事が上手く行く基本なのだと云う事です。
リフォームの場合でも、工期、金額、人間関係など、関わる会社や個人の
『どこかに異常な負荷が掛かると必ず問題が起きてくる』ものです。
そこを、しっかり管理するのも大きな意味で施工管理の仕事です。大きな要素は
1.金額
2.工期
3.作業環境
になります。
上記に関して、業者との調整、お客様との調整、予算の分配などを、施工管理者が行いますが、
上記の条件が行き過ぎている場合には施工管理の範疇を超えてしまう事が時々あります。
リフォームではしっかり確認して見積を作成しても、開けてもなければ分からない事があります。
この様な、『分からない事は分からない』、これがリフォームの本質です。
話は少しそれますが、今話題のマンション杭事件でテレビ番組に出ていた、ある1級建築士さんが、
『プロでも出来上がった建物を見て、全部に関して問題があるかないかは分からないです・・・』と、
お話しされていました。
この方は、正直で、自信のある方だなと感心しました。
我々リフォーム業者も分かった振りをしたり、過剰な夢を持たせるような事を言ってお客様を
混乱させないように注意が必要と思いました。
●事前にきちんと説明を行う事が重要
上記のように、リフォームでは変更が起きやすいのですから、
『業者は事前にその事をお客様にしっかり説明』しておかなければいけません。
調べて分かる事は、十分調査するのが施工側の責任ですが、
しっかりした調査は床や壁を開口する事なども必要となり、
一般に契約前に行う事は難しい事です。現実的には、『解体して始めてわかる』
と言う事になります。
このような事なので、お客様も『あなた達、プロなのだから分かるでしょう』という事ではなく、
現実を認識して頂いた方が心の準備や予算の準備などお客様にもプラスなはずです。
●ここが分かれ目
上記の様なことが起きた場合に、問題のないリフォームで完成するかそうでないかは、
ここの対応で決まってきます。もっとも大事な部分です。
いい加減な対応の業者は、問題点を見なかったことにして完成させます。
誠実な業者は、お客様にご相談して、金額面や工期変更の了解を頂き、業者にも工期変更等の了解を取り付け、
設計面などの問題点を解決して再スタートさせます。
是非、業者さんと良好な関係でリフォームを進めて下さい。
問題点を知らせてくれたり、簡単な部分はサービスで直してくれるなどお客様に
とっても良い事だらけです。
●金額に関して
お客様が求める金額とリフォームの内容が施工側が提供出来る限界を超えていれば、
施工側に色々なストレスが掛かります。
そして元請けに掛かった価格の負担は、下請け(協力会社)に連鎖してゆきます。
仕事の内容に影響を与えます。
その結果、お客様には思い通りのリフォームが手に入らないというストレスが戻ってくるという、
負のサイクルになります。
●工期に関して
工期の件で云うと、お客様と元請け業者の間で適切に取決めが出来ていれば問題がないのですが、
仮にお客様が一方的に工期を決定した場合には、各協力業者の調整幅が限られ、
通常では行わないような応援の業者を頼むとか、あまり適切ではない職人を入れるなどが発生します。
その結果、ベストの仕上がりにならないと言う事が起きる可能性があります。
●作業環境に関して
仮に、畳の部屋をフローリングにする場合、何も無い部屋ならば、水平が見通せるので、
下地をしっかり水平に作る事も難しくないし、フローリングを張る際も障害が無いので
スムースに作業が出来、綺麗に仕上がります。
しかし、家具が置きっぱなしだと、職人さんが移動しながら施工を行う様になり、
手間も掛かり、綺麗にも出来ません。
身体的な理由等で家具の移動が無理な場合には、料金を頂いて業者側が行う場合もありますが、
基本はお客様が片付けます。
又、ピアノの移動やパソコンの配線は専門業者でなくては出来ません。
こうした事を業者がきちんと説明する事も重要ですが、お客様も見積に入っていない事はご自分で行うと云う
当事者意識を持って頂きいたらよいと思います。その中でどうしてもご自分では出来ない事は
ご相談頂ければ良いと思います。
全てを業者任せにするのではなく家の大事なイベントとして、ご自分達も出来るだけ参加するのだ
という感覚を持って頂けると、業者側もモチベーションが上がり良い仕事に繫がることは間違い有りません。
■最近気になる、注意が必要な業者・・・
器具交換のような簡単な工事ならばまだ良いのでしょうが大規模でそれなりの
施工管理が必要と思われるリフォームでは、業者の選択を間違えると取り返しがつかなくなります。
仮に一度行ったリフォームをやり直すとなれば、現実的な問題として、再使用できる物は本当に限られ、
ほとんど最初から行う様な事になります。
見ていて一番怖いのが、すばらしいリフォームをするような雰囲気を出しているのに施工技術が伴わない業者です。
このケースは大けがに繫がるケースです。
私たちにはお客様をはじめ、色々なルートから同業者の情報が入ってきます。
その中には、『その経歴で、大丈夫?』と思われる業者さんも以外に多いです。
極論を言うとリフォームは経験が全ての業種です。
すべて、経験から身に付け、教科書で学ぶ事は3割程度ではないでしょうか
この手の業者は、
『リフォームにやり甲斐を持っているのではなく、リフォームを単なる儲けの道具にしている』業者で、
その人達は、リフォームの質や内容には大した興味は無く、儲かる商売ならば何でも良い人達のようです。
こう言う人達は営業的な見せ方や、話が調子よく上図です。
しかし、儲からなければすぐにやめてしまう、といった事で、自分たちのリフォームに
責任感が無いような業者です。
こう言う業者が最近増えています。特に大きな金額のリフォームの場合には,
本当に取返しのつかない事になるという事を十分肝に据えて下さい。
●会社を見抜く
業者を見抜く知識を持っているととても参考になると思います。
小さな会社の体質は経営者の性格や技術力で決まります。
その会社の経営者なり、主任技術者がしっかりした考えと技術を持っているが重要です。
リフォームは非常に難しく長い経験からしか身につかないのでそれなりにの経験が必要になります。
上記の事はホームページで履歴を確認すれば大体分かります。
問題のない人は、必ず履歴を公表しています。
又、社長さんがホームページに顔を出している事も重要です。
●ホームページの見せ方
見抜く方法のもう一つはホームページです。
ホームページは作ろうと思えばどんな風にも出来ます。
自社の工事でなくても、写真は手に入るし、ホームページ専門の製作業者に頼めば
すばらしいホームページが簡単にできます。
そのホームページのイメージの表現が過剰で、実際の仕事の内容とに大きな差があるのです。
良いか悪いかは別ですが、ホームページの普及によって、云ってみれば、
素人に毛が生えている程度のリフォーム業者でも、ホームページに大きな費用を投資すれば、
見た目だけはすばらしい会社に見えます。その作戦にまんまと引っかかる人がいるのです。
私はそのような事が、最近の質の良くないリフォームを生んでいるように思います。
確かにリフォームは仕事さえ受注すれば、後は各業者に任せても、何とか形だけは出来上がります。
でもこれでは、ただ出来上がったと云うリフォームで、とても質の高いリフォームとはなりません。
■取り返しが付かないことが起きる・・・
何か自分にとってとても『得』に見えた時にはちょっと疑って見て下さい。
世の中には、そうした事は基本的にないものです。
以前に鉄筋コンクリートの住宅の外壁塗装の相談を受けたことがありました。
近所で塗装を行っていた業者が塗らして欲しいと声を掛けて来たので、お願いしてしまったと言う事でした。
『うちは、足場を掛けなくても工事が出来るので安い』と言う事を強調していたそうです。
話によると、高圧洗浄もしないで、長い柄の先にローラーを付けて塗っていたようです。
それから3年~4年目で塗装が剥がれてきたので、電話をしたが、使われていないと言う事で
連絡が取れなかったそうです。
当社に相談に来られました。現場を確認させて頂くと、剥がれているのは一ヶ所だけではなく、
何カ所も有り、直感的に簡単な補修では済まない事が分かりました。
やり直す事を前提に足場を掛けて確認した所、塗装の剥がれはほぼ全面に起きていました。
どんな風に施工を行ったか詳しくは分かりませんが、良い部分と悪い部分が中途半端に残っていて、
全部完全に撤去も出来ない困った状態でした。
怪しい部分を取れるだけとって、再塗装したのですが、時間が経つと悪かった部分が
次から次に剥がれて来て本当に大変でした。
結局長い間足場を掛けっぱなしにして、出来る限り直すと言う事しか出来ませんでした。
費用的にも通常の2倍以上も掛かり、前回の安かった分は完全に吹き飛んでしまいます。
又、その間の精神的な苦痛も大変だったと思います。
おまけに、仕上がりも綺麗にはならないと言う最悪の状態でした。
このようにリフォームでは、『一度間違った事を行うと取り返しがつかなくなる』典型的な例でした。
本来リフォームは大変難しい専門性の高い仕事で、やればやるほどそれを強く感じています。
今回このブログを読んで共感を頂いた皆様に質の良いリフォームの本質、施工不良の発生の原因などを
ご理解頂き、ご自分の今後のリフォームに役立てて頂くのみならず、真剣に良質なリフォームを考えている
多くの業者を応援頂きたいと思います。
リフォームを考えているお友達にもお伝え頂きこのような考えを広めて頂ければと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
一級管工事施工管理技士
2級建築士
マンションリフォームマネージャー
代表取締役 常田 豊
記事タグ:横浜 リフォーム|リフォームは施工管理がいのち(最終回)|アリキリ
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