投稿:常田 豊
失敗しないシンプルリフォーム!
・最近なにそれ・・・と思たことがありました。
約10年前に取り付けた、当時最新のタンクレス便器なのですが『洗浄便座機能が壊れてしまい修理をして欲しいい』と云う依頼があり、メーカーに問い合わせたところ、既に部品の在庫が無く、修理は出来ないという回答でした。
『それでは、洗浄便座部分の交換でもかまいません』と再度問い合わせたところ交換用の洗浄便座は発売されていないので、便器ごとの交換が必要と云う最終回答でした。
早速その旨お客様に連絡をし、自分の配慮不足を謝罪いたしました。
しかし、内心では『大手メーカーなんだから、将来的な事くらい考えてくれていても良いのに』と思いました。
従来型の便器では便器の上に別売りの洗浄便座を設置するために、その部分が壊れたら簡単に交換るシンプルなものでした。
本来なら、30年間は使用する事が出来る便器部分を10年で交換する事になってしまい当然余分な費用が掛かることになってしまいます。
◎メーカーは『今売れれば良い』という考え方?・・・
注意しなければならないことは、メーカーはそれほど良心的な発想で商品を作っていないということです。もしかしたら、耐久消費財であるリフォーム商材でも10年で交換して欲しいいと考えているのかもしれません。
新商品が出るたびに、『本当にそんな機能が必要なのだろうか?』と思う事がよくあります。我々リフォーム業者はメーカーの代弁者では無くプロとしてもっと本質的な問題点をお客様の立場に立ちお伝えする義務が有るとつくづく考えさせられました。
◎もう少し雑談にお付き合いください・・・
この様な事を考えていたら、二つの事を思い出しましたので、ご紹介しておきます。
一つは、ユニットバスの洗い場排水口に関する事で、少し前になりますが、某メーカーが排水口の目皿に髪の毛をクルット纏めて、ポント捨てることが出来るようにした商品を『掃除が簡単なユニットバス』と云う触れ込みで発売した事がありました。
お掃除が簡単というコンセプトなのですが、実はクルット纏める仕組みは意外に複雑でその仕組み部分を掃除するのはほとんど不可能でした。
もう一つは自宅の事ですが、1年ほど前にフィルターの掃除が不要と云うエアコンに変えました。先日、エアコンの掃除を初めてやってみましたが、確かにフィルター部分の汚れは少ないようですが、その汚れを取り除く装置はかなり複雑でその部分に付いたホコリ等を取り除く作業は半端でなく大変でした。
私は多少機器の扱いに慣れていたので分解してそうじが出来ましたが、おそらく一般の人ではできないと思いました。
あれならば、今まで通り、フィルターをこまめに掃除する方がどれだけ楽か知れません。
両方とも本末転倒な話で、”目に見えるお掃除簡単が実は見えない部分でお掃除大変”になっていた例です。
1.シンプル(単純)を馬鹿にしてはいけません・・・
シンプルと云う考え方には、
1)仕組みが簡単
2)作り方(構造)が簡単
3)材料が簡単
などの要素があります。
構造が簡単ならば誰でも簡単に直すことが出来るし、材料が簡単ならばいつでもどこでも入手できるなど維持管理上大きなメリットがあります。
本来住宅はお住まいになっている方が一定のメンテナンスが出来る必要があります。ちょっとしたことはDIYで解決できた方が良いのです。
私もこの業界に30年超関わてきましたが、いざリフォームと云う段化になり厄介なのは一般的ではない材料を使用していたり、独特なデザインだったりすることです。
こうした事は新築サイドで仕事をされている建築士さんなどにはあまり意識の無い部分だと思いますが、住まいの維持管理側で仕事を行っているリフォーム業者にとってはとても重要な事です。
2.当たり前の商材を使ってチョットおしゃれにリフォーム・・・
当社は、TOTO・パナソニック・クリナップ・ノーリツ・サンゲツと云ったどこでも手に入るメーカーの商材を利用し、普通の職人さんが出来る工法をもちい、デザイン性に優れ長持ちする安心リフォームをコンセプトとしています。
手前みそになりますが、それでも十分デザイン性の高いリフォームが可能です。
デザイン性や素材に凝る事もわかりますが、現実の生活を考えると日常での維持管理に時間が割けない状況でも一定のきれいさが保てるデザインと素材選びが重要だと考えています。
又、汚れてきた、飽きてしまったという時にも比較的安易にリフォームが出来る材料や工法でリフォームする事も重要と考えています。
3.お部屋の造作やカラーコーディネートもシンプルがお薦め・・・
一般に日本の家はそう広くはないので、部屋自体に色々造作を行っても家具が入り、家財道具が置かれると目立たなくなってしまうと言う事が良く起きます。そういう意味でリフォームは現実生活をよくイメージして考えないと無駄な事をする羽目になります。
例えば、天井なども凹凸は必要ないし、壁部分の有効利用と云う事で狭い隙間を利用してみてもさほど大きなメリットとは言えません。単純に床壁天井を造作し、カラーコーディネートも白系で単純に仕上げる、最低限と云う言葉がありますが、『必要な事しかやらない』という考え方はとても良い考え方だと思います。
こうしたお部屋は家具家財が入っても、邪魔するものは無くうまく収まります。
4.アリキリが提案する住まいの基本機能・・・
昔から言われているように住まいは耐久消費財で『いずれは朽ちて行くけれど長く使うもの』という性質のものです。ですから出来るだけ①丈夫で長持ちする。②簡単なお手入れでいつまでの気持ちよく使用できる。そして壊れても③簡単に直せること。・・・こうした事が重要な点です。
1)丈夫で長持ちする製品は細かな所まで気遣いが有る
特に説明は要らないと思いますが、壊れ難いと言う事です。壊れにくいと言う事は頑丈に出来ていると言う事です。部材がしっかりしている、特に動く部分がしっかりしている事です。
よく見かけるのが、本体は大丈夫なのに、戸車がダメになったとか蝶版がダメになった等付属部品が傷んで使えなくなる事が有ります。加えて構造が簡単な事です。
最近の住設機器は便利な機能を満載している為に部品の数が多く、又、昔より柔なのか故障の確率が高くなっているように感じています。
出来るだけ必要な機能に絞って選択されることをお薦めします。
2)掃除が簡単で汚れ難いと云うこと・・・
汚れ難く、簡単にお掃除ができると云うのも大事な点ですね。一番いい例が、レンジフードですね。あれは面倒くさいですね。
特にマンションのレンジフードはプロペラでは無くシロッコファンと云って羽根が多数付いていて、分解も難しく、チョット一般の方は掃除しようと思わないかも知れませんね。私も自分の家のやるの面倒くさいです。
全社の製品を見たわけではないですが、最近はメーカーも「お掃除が簡単」と云う点に力を入れて開発しているようです。
例としては、拭き掃除が楽なように煙を平面の板に沿って流れるようにしたものや、掃除の面倒なフィルターを無しにしたり、フィルターを洗浄する機能を付けたりしています。
実際に取付けたお客様からも、「お掃除の頻度が少なくなったとか、簡単になった」と云うお話しを頂いています。
但し、あまり複雑なものは避けて方が良いと思います。
3)簡単に交換が出来ると言う事が維持管理に必要・・・
家に関して私たち日本人は永遠に使えるとどこかで思っているらしく、途中でリフォームしたり、交換するという発想に掛ける為か、多くの部分がリフォーム向きに出来ていません。
今後は交換する時の事まで考えて新築やリフォームを行う必要があります。壊れたら簡単に交換、リフォームが出来るように最初から考えておくことが重要になります。
私の専門分野の設備もそうですが、いずれ交換する設備配管なのにコンクリート壁の中に埋め込んだり、土の中に埋設したりしています。
だから、漏水したといってもどこから漏水しているのか探すのがとても大変だし、漏水部判明しても修理もとても手間暇が掛かります。
例えば、汚れやすい、又は傷みやすい部分は交換が簡単な材料で仕上げを行うと言う考え方も良いと思います。
例えば水回りの仕上げによく使用する床のクッションフロアは簡単に貼り替えが出来ますがフローリングは交換が大変です。クッションフロアなら、傷んでいる部分の床板を交換して、クッションフロアを張ることが出来ます。壁のビニールクロスも貼り替えが簡単なので汚れたり飽きてきたら気軽に貼り替える点でお薦めです。
≪素材選びのポイント≫
・簡単に交換が出来る物を選ぶ。
・半永久的に使用出来る物を選ぶ。
と言う事が重要で、中途半端な物を選ぶと後で大変になります。
5.皆さんに問います?自宅で自動で開く便座は必要ですか?・・・
上級クラスの便器ではトイレに入ると自動で便座が明き、用を済ませるとその所要時間を感知して大か小かを判断し流し、立ち上がると便座が閉じる、フルオートの物があります。
この機能本当に必要なのでしょうか?この辺は生活に対しての感性の違いなのでしょうが、技術で出来るからなんでも機械にやらせるという考えには私は反対です。
自分のしたものは自分で流し、自分で蓋を閉める事ぐらいやらないと、他人の家で流さないで出てきてしまうと言うことが起きないかと心配になります。
色々な機能を付け加えた高機能と呼ばれる機器になればなるほど故障が多くなることは工業製品の自然法則です。出来るだけ不要な機能の無いシンプルな製品がお薦めです。
但し、付加機能もこんなケースでは喜ばれる事もあるので、先日経験したお話しをします。
便器の交換を希望されているご年輩のお客様の所での話ですが、便器が決まり洗浄便座を選ぶ時に私が「オート洗浄機能は必要ないと思いますが・・・」と申し上げたのですが
お客様は、「どう言う機能ですか?」と質問されました。「タンクのレバーではなく、リモコンで流せる機能です。」と説明すると「それ見積に入れて下さい」というお返事でした。
理由をお尋ねしたら、「タンクの脇まで手を伸ばして、レバーを回すのが結構大変なのです」、というお答えでした。なるほど、お年を召してくるとそんな事もあるんだ・・・と大変勉強になりました。これはこれですばらしい選択だと思います。
6.シンプルインテリアコーディネートの基本は床と建具・・・
失敗しないインテリアコーディネートの方法は?と尋ねられたら、間違いなくシンプルに仕上げる事と申し上げます。更に言えば居室の床とドア等建具がコーディネートされていれば、コーディネートはほぼ成功です。
シンプルと云う言葉の中には『同じ』と云う言葉が含まれます。同じ色調、同じ素材と云ったことです。一番難しいのは同じようで微妙にずれている事です。少しのずれの影響は机の上では確認できない面積の大小による影響や、光の当たり具合と云った難しいい問題を起こします。
その点、メーカーが床材やドア材といった部材を総合的且つ、統一したカラーコーディネートを行いラインナップして製品を販売している事が大変役に立ちます。
当社では住宅建材で国内ナンバーワンのパナソニック製品を使用していますが、ほとんどの分野でコーディネートされた商品ラインアップが用意されている為に変な話、誰がコーディネートしても失敗がありません。
7.仕上げ造作材の変遷と最近の技術・・・
◎スライス板貼り
例えばフローリングやドアなど完成した時に仕上げ部分が見える部材があります。仕上げ材とか化粧材などと云います。
最初の頃のフローリングは無垢でした、しかし無節で綺麗な部分を無垢材で取るのは大変費用が掛かるので合板に綺麗な木目部分を1㎜位にスライスして貼ったフローリングが主流になりました。
この方法は柱などでも使用されている方法で集成材柱として、そこそこの金額で綺麗な檜の柱が使えるようになりました。
◎樹脂シート貼り
その後木目模様の樹脂シートを貼った材料が多く出回りました。最初はドア枠などに使用されていましたがドアのパネル部分もいつかシート貼りに変わって行きました。
◎リアルシート貼り
最近は更に進んだリアルシートと呼ばれる本物の板材を写真に撮りシートにプリントしたもので
ビンテージ感の有る古びた木材の感じなど多彩な表情を持った床時や扉材が発売されていて、既に主流の商品になっています。
日本のこの印刷技術は本当にすばらしく、木の風合いや質感をすごいレベルで表現しています。少し前に年配の方の家でリアルシートの建材を使用してリフォームを行ったのですが、ある年配のお客様が、「さすがアリキリさんだね、良い木を使っているね」と云われ、一瞬返す言葉が思いつかず『ありがとうございます』と返事をしたことを覚えています。
不祥事を起こしたどこかの知事さんに対してあるTV番組の評論家が「本物の偽物」と云う表現をしていましたが、良い意味でまったくそのレベルの建材と云えると思います。この技術は木目を真似して作ったと云うより、『リアルシート』と云う新しいカテゴリーや文化と云っても過言ではない位のレベルに達していると私は感じています。
8.フロアタイルはこれからのリフォームにお薦めの床材・・・
フロアタイルはホテルのホールやレストランなどの商業施設の床材としてに使用されている商品で、大変丈夫でデザイン的にも木調、石調、幾何学模様、光沢のあるもの、マットなもなど非常に多彩で優れており、色々なデザインが楽しめます。
この製品はフローリングに比べて大きな特徴が2つあります。
≪一つ目はとても丈夫≫と云う点です。
フロアタイルは元々土足使用に考えられている商品なので、表面の強度は強く簡単に傷のつくようなものではありません。
≪二つ目は部分的な張替えが簡単≫な点です。
フローリングは『さね』と云う凹凸構造で周辺のフローリングと結合されています。その為に一部が傷み張り替えたいと思ってもその張り替えは容易にはできません。
その点フロアタイルは一定の大きさの材料を突き付けて張ってゆくだけなので傷んだ部分だけを交換する事が容易に出来ます。
当社では以前から玄関の土間にタイル張り代わりに使用していましたが、最近では居室にもせ極的に使用しています。これからの新しいリフォームの考え方に合っていると思います。
≪マンションでもお薦め≫します。
マンションで床を置床でリフォーム出来る場合には、置床材を防音仕様にして、フロアタイルで仕上げることが出来ます。
◎写真は当社で行った戸建て住宅のフロアタイル施工例です。
アリキリリフォーム(株)はシンプルと云うキーワードの基本として、製品、素材、工法とリフォームのすべての分野で今後もシンプルリフォームを追及して行きますので楽しみにしていてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
2級建築士
マンションリフォームマネージャー
取締役社長 常田 豊
記事タグ:リフォーム 横浜 |失敗しないシンプルリフォーム!|港南区 アリキリ
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