横浜 リフォーム | 相見積の正しい取り方教えます! |港南区 アリキリ
最近はリフォームを行う時に多くのお客様が相見積を取られています。
今回は、現役のリフォーム会社の社長から見た『正しい相見積の比較方法』をお話しします。
当社でも相見積の案件が大変多くなって来ましたWebや雑誌でも、必ず相見積を取りましょうと言っているからだと思います。
しかし、相見積を取ってからどのようにすれば良いかを説明されている方は少ないように思います。
今回は相見積を取ってからどう活用したらよいか私の考えをお話しします。
相見積は平均3社くらいから取る方が多いようです。中には5社以上とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。
当社では、受注出来た場合も出来なかった場合も出来るだけ理由をお聞かせ頂いています。
『今回は○○リフォーム会社さんに依頼する事にしました。・・・』
『あ・・・、そうですか、お役に立てなくて残念です。』
・・・社長としては少し悔しい!
『差し支えなかったら、どんな点が決め手になったのかお教え頂けませんか?』
『今回はアリキリさんの方が少し高かったので・・・』と言うような、ご連絡を頂きます。
あれ待てよ、見積書は出しただけで、内容に関しての詳しいご質問や確認も無いまま・・・、
そんな簡単に決めて大丈夫なのかな?など疑問が残るケースも少なくありません。
相見積で全体金額の比較は簡単にできますが、細部の比較確認はそんな、簡単なのもでは無く一定の知識が必要です。
これから相見積を取られる方、又は、現在検討中の 皆様は少し長くなりますが、このブログを読んで頂き
正しい知識をもって比較確認を行ってみて下さい。
1.見積の基本的な構造・・・
最初に見積書を見るときの注意です。見積書の書式は各会社まちまちですが、基本的に以下の構成になっています。
材料費+工事費+経費で、
材料費はキッチンや便器など住設機器や建具、フローリング建材などです。
工事費はキッチンの撤去費や取付費フローロング張り工費や内装工事費などです。
経費の記載方法には”一般管理費、現場経費、本社経費”などいろいろな表現がありますが、
要するに材料費と工事費以外の費用全般の事です。
具体的には担当者の給料やガソリン代、事務所の家賃など会社を運営する費用を現場ごとに振り分けたものです。
2.見積書の書式は会社によってまちまち・・・
見積書の記載方法は、特に決まっているものではありませんが、使用する機器や材料と
各工事費など項目ごとにまとめる方式と部屋ごとにまとめる 方式があります。
機器や材料、各工事ごとにまとめる方式は工務店では一般的ですが、お客様にとっては分かり難いという意見があります。
部屋ごとの見積は予算が足りなければ、この部屋は次回にする等計画修正がしやすいので当社ではこの方式を採用しています。
3.一覧表を作って比較をしましょう・・・
3社の見積を取ったとして、漠然と見ていても違いは分かりません。
そこで、項目ごとまたは部屋ごとの一覧表を作り比較を行います。
ご自分が一番見やすい見積書を選び、他の2社の項目をその見積に合わせて並び替えます。
こうすることで、A社はここが高い、 B社はここが高い、C社は異常に安いなど各社の見積の特徴が具体的に見えてきます。
ちょっと大変ですが、大きな費用を掛けて行うのですから、頑張って下さい。
4.大きく違う部分に焦点を合わせて確認する・・・
この作業を行うと各項目の平均的金額が見えてきます。ほぼ同じ金額の項目は特にチェックは必要ありません。
次に、金額に大きな差がある項目を探します。この部分にその会社の『やり方や考え方』
又は、『得意、不得意』など会社の特徴が出るはずなので良く確認して下さい。
又、単価や数量が一桁違っていたり、必要な工事を 落とていたり、同じ項目をダブって計上している場合も
ありますので比較表で確認します。
■相見積のチェックポイント・・・
1.機器類の比較
2.取付費やクロス貼りなど工費の比較
3.経費の比較
4.値引きを含め全体金額の比較
以上の4項目を比較確認して下さい。比較方法は移行で詳しく説明します。
■機器類の比較は性能と定価と値引き・・・
出来れば、見積もり依頼時にメーカーや型番を示した方が明確になりますが、そうでない場合には、
自分が考えている機能が備わっているかどうかをカタログやメーカーのホームページで確認して下さい。
次に定価を確認して下さい。メーカーが違っても定価がほぼ同じならばグレードは同じと考えてかまいません。
機器の値引きはあくまでも参考です。ここは会社の営業戦略が出る部分で、機器値引きを大きく見せるか、
値引きはそこそこにして、工事金額や 経費を低く見せるかと言う戦略的作文の範疇です。
最終的には 総金額で判断する事になります。
私が知る限りでは国産の住設機器はどこの会社でも30%~50%の値引きをするのは当たり前になっていると思います。
但し、タカラというメーカーは定価設定を低くしている分、値引き幅が少なくなります。
■値引き率の違い・・・
尚、同じTOTOの機器でも30%の値引きしか出来ない商品もあるし50%値引き出来る商品もあります。
これはメーカーの販売戦略によって 違ってきます。
先日もこんな例がありました。TOTOの便器で一般的なものを選んで1回目のお見積を出しました。
後日、ショールーム行かれ、気に入った便器が 有った、と言う事で変更見積の依頼がありました。
1回目の見積では45%引き出来ものが変更後は30%しか値引きができませんでした。
一般的に標準品は仕入れ価格が安いので値引きを大きく出来ますが、高級品になるほど値引き率が小さくなる傾向があります。
■取付費やクロス貼りなど工費の比較・・・
取付け工費も差が出る場合があります。
例えば、システムキッチンやユニットバスなど
施工に専門性が要求される機器類ではメーカー施工という方法が使われます。
要するにメーカーの責任施工と言う事です。
当然ながら、工費は普通の職人さんが 行った場合より少し高くなりますが、何かあった場合の責任をメーカーが
持ってくれると言う意味で非常に安心出来ます。
当社でもシステムキッチンやユニットバスではメーカー施工をよく採用しています。
クロス貼りなどでは数量と単価を確認しましょう。
ここでは数量に歩留(無駄になってしまう分)を掛けて算出するやり方と、実数を記載して、
歩留は単価に含める方法が あります。
数量に歩留まりを掛ける方法では数量がやや多く出て来ますが単価内に歩留まりを入れ込んでおく方法では
単価が高くなってきます。
最終的にはクロス工事の総額で
比較すれば良いです。
又、この種の工事では、材料と工事費を足して単価にする複合単価(材工共)と材料と 工費を別々に
記載する方法があります。材料の単価と工費の単価を加えて、複合単価が出ますので比較して下さい。
■経費の比較・・・
経費も会社によって記載方法や金額が違います。
一般には、機器、材料、工費を合計した工費の15%~25%位を計上している会社が多いと思います。
当社は17%になっています。
実はこの経費ですが、どこの会社も本当は25%とか30%ぐらいないと赤字に なってしまいます。
しかし、昔から日本では経費など目に見えに難いものにお金を払ってもらえない
と言う傾向があるので、30%とか言う大きな金額を計上し難いのです。
私もこの商売を始めてから何回かお客様に、『』経費って何ですか?』とか、『 経費をなぜ取るのですか?』
と言われた経験が何度もあります。
経費が無いと会社は成り立ちません。逆に当社では経費は頂いておりませんと言う会社の方が怪しいです。
■相見積の比較確認最終結論・・・
ほとんど同じような機器が入っていて、工事費も全て入って居るならば、最終的には値引きも含め総金額の
安い方が数字ベースでは安いと言う事ができます。
一つだけご注意頂きたいのは、3社を比較して異常(2割以上)に安い場合には要注意です。
ダメだとは言いませんが、リスクが大きくなる事は覚悟しておいて下さい。
大きな金額差は、悪意を持った作為的な事か、技術的に大きな問題を含む可能性が高いです。
■見積金額の差の正体・・・
長くリフォームを行っていて地域で信用のあるリフォーム会社であれば、特殊なリフォームで無い限り、
相見積金額の差は最大10%程度ではないかと思います。
金額の差としては以下が考えられます。
1)見積精度の差 ・・・項目落としや,数量ミスによる雑な見積
・・・経験不足等で適切な材質、工法でない場合
2)リスク管理の差 ・・・下地など再使用するか、やり直すかの状況判断の差
3)性能設定の差 ・・・屋根工事などにおける工法の選択や材料の選択の違い
4)経営方針の差 ・・・薄利多売型か品質重視型によって利益率の設定が違う。
5)職人さんの手間の差 ・・・安い職人さんを使えば安くなる、但し一般に
安い職人さんは仕事がよくない事が多い
・・・工務店に一括で依頼しないで、職種事に
分離発注する会社の方が安くなる
6)仕入れ価格の差 ・・・会社によってどこのメーカーが強いのかに差がある。
■ここはしっかり確認しましょう
上記の見積金額の差の項目で商品の仕入れ価格の差を 除いては全て工事の質に影響が出てくる項目です。
仮に安くなっている項目でも、”経験の有る担当者が見極めた結果、やる必要が無く安くなった”事なのか、
”経験の少ない担当者が知識不足で、必要が無いと考え安くなった”のでは天と地ほどの差が出て来ます。
■リフォームの見積の特異性・・・
普通の商品の場合には『現物を見て、これでいくらです・・・』となりますが、 リフォームの場合には、『こう出来上がるはずです・・・』と言う予定価格だと云う事です。
まして壊してみなければ分からない部分を扱う場合には、もう一つ不確定要素が加わるわけで、 そこがお客様にとっても我々業者にとっても難しい訳です。
■契約書は最低限必要です・・・
リフォームと言うのは上記のように不確定な 要因があるので、口約束ではなく必ず書面での 契約を行いましょう。
工事の内容と金額は一番重要な事ですが、それ以外にも不測の事態が起きた時にどうするか
と言う事が明記されていることが重要です。
逆に言うと、この様な不足の事態に関しての記載がない契約書は非常に怖いと言う事も出来ます。
今回はここまでです。
最後に、
相見積を依頼される際には、機器を指定して、部屋(部位)ごとに 作成して欲しい旨
お伝えしてみてはどうでしょうか。きっと見積の比較が楽になると思います。
又、業者選択の際にはホームページの綺麗さだけではなく会社履歴などで経験年数を必ず確認して下さい、
最近若いリフォーム会社経営者で技術的な 裏付けが無いのに、『リフォームはこれから儲かる』と言うだけで
参入している方が 増えてきています。
そうした会社は傾向的に営業中心の戦略で、色々な意味でやや荒ぽいです。
ホームページはどんな風にも簡単に作る事が出来ますが 、リフォームは難しく、
『知識ではなく経験』が本当にものを言います。
社歴が長ければ多くの経験をしていますし、良い職人さんも束ねていると思います。
上記の事は見積に出てこない重要なポントです。是非参考にして下さい。
今回も最後までお付き合い頂き
ありがとうございました。
2級建築士
マンションリフォームマネージャー
一級管工事施工管理技士
代表取締役 常田 豊
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