「リフォームで床暖房にしたいけれど後付けってできるの?」
「床暖房を施工するのにどれくらいの費用がかかるのか知りたい」
このようにお悩みではないでしょうか?
日本では従来「冬は寒くて当たり前」と考えられていたため、住宅の気密性や断熱性能は軽視される傾向がありました。そのためひと昔前に建てられた住宅は、冬になると底冷えすることが少なくありません。
そんな住宅におすすめしたいのが、足元から部屋全体を暖め「頭寒足熱」を実現する床暖房へのリフォームです。しかし既存の住宅に床暖房を後付けできるのか、疑問に思う方も少なくないようです。
そこで今回は、床暖房の設置リフォームについて、床暖房の種類や施工方法、費用目安や設置時の注意点までご紹介します。
●マンション・戸建てに床暖房を後付けすることは可能?
床暖房を設置したいと思っても、今の住宅に後付けできるのか気になる方も多いのではないでしょうか?
基本的には、マンション・戸建てのどちらであっても、床暖房の後付けは可能です。木造・鉄筋コンクリート造など建物の構造種別や、階数なども問いません。
ただしマンションでは、物理的に可能であっても、管理規約で禁止されている場合があります。許可されているとしても「床下にパイプを通す必要がある温水式床暖房は禁止」など、細かに決められているケースも少なくありません。そのためマンションで床暖房へのリフォームを検討するときには、まずは管理規約を確認しましょう。
●床暖房の種類
床暖房には以下の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
- ・電気式床暖房
- ・温水式床暖房
それぞれの概要をご紹介します
●電気式床暖房
電気式床暖房は、電気で発熱するヒーターを床下に仕込むことで暖める仕組みです。
温水式床暖房と比較すると、設置する際に必要な初期費用が安いため、導入ハードルは低めです。
しかし、契約している電気会社やアンペア数にもよりますが、基本的にはランニングコストは高くなる傾向があります。
日中は仕事に出ていて床暖房は使用しない、キッチンや脱衣所などで短時間だけ使いたいといった方には、電気式床暖房がおすすめです。
●温水式床暖房
温水式床暖房は、床下にパイプを張りめぐらせて、ガスや電気などで温めたお湯を流すことで暖めるタイプです。
屋外に暖房機機能を内蔵したガスふろ給湯器、暖房専用の熱源機器や、温水配管を設置する必要があることから、電気式床暖房と比較すると導入コストは高くなる傾向があります。しかし運転時の光熱費は安いので、ランニングコストは電気式ほどかかりません。
そのため温水式床暖房は、在宅時間が長い方や、リビングやダイニングなど広い面積で使いたいご家庭に向いています。
●床暖房設置リフォームの施工方式・費用相場
ここからは、実際に床暖房を設置するリフォームの方法と、費用相場を紹介します。
●床に重ね張りする場合
床暖房は、既存の床に重ね張りすることで施工が可能です。
既存の床を撤去したり下地をやり直したりする必要がないため、工期が3〜5日程度と短くてすみます。その分費用も抑えられ、1畳あたり5万〜8万円程度で施工できます。12畳のリビングで8畳分床暖房の設備を重ね張りする場合には、約40万〜64万円程度を見込んでおくといいでしょう。
ただし既存の床の上に張り重ねることから、その分床が高くなり段差が発生する点には注意が必要です。製品にもよりますが、現在の床の高さから11mm〜15mm程度は高くなると考えておきましょう。段差が発生することにより、部屋やクローゼットの扉に干渉し、開かなくなる可能性がある点には注意が必要です。
●床を全面張り替える場合
一方床を全面張り替える場合には、既存の床を撤去し下地を調整する工事が必要になるため、工期が約6〜10日と長くなることがあります。工事費用も1畳あたり8万〜11万円程度と、重ね張りするのと比較して1畳あたり3万円ほど高くなります。12畳のリビングダイニングを全面張り替え、8畳分を床暖房にするケースで、64万円〜88万円ほど必要です。
一方既存の床を撤去して新しく床を作り直すことから、廊下やほかの部屋と高さをそろえられるので、きれいに仕上げられるのがメリットです。段差がないので、あわせてバリアフリー化したいときにも向いています。
●熱源機の設置費用
温水式床暖房の場合は、熱源機の設置が必要になります。その際に熱源をガスにするのか、電気とガスの併用にするのかにより、かかる費用は異なります。一般的には上記費用とは別に、約25~100万円見込んでおく必要があるでしょう。
●床暖房設置リフォームの施工事例
1. マンション・全室床暖房&断熱工事(スケルトンリフォーム時)
まずは当社アリキリリフォームで、築35年のマンションのスケルトンリフォーム時に、全室床暖房を施工した事例を紹介します。こちらではあわせて断熱工事(吹き付け断熱工事と内窓サッシ取付け)も行い、断熱性能を高めることでさらに床暖房の効果を高める工夫をしました。
<床暖房と断熱工事にかかった費用>
床暖房:約150万円~200万円
断熱工事:約50万円~100万円
廊下も含めてすべての部屋に床暖房を設置しました。施工後の検査では、表面温度30度であることを確認。断熱工事も行ったことで、冬でも全室暖かく過ごせるリフォームを実現できました。
2. 戸建て・床暖房&窓ガラス断熱パネル
こちらも当社で戸建て住宅のLDKに、床暖房を張り替え工事にて後付けした事例です。あわせて大きな窓からの冷気の浸入を防ぐために、断熱パネルも設置しました。床暖房には立ち上がりが早い温水式を採用し、床下の根太を組み替え断熱材を敷き込むことで暖房効率を上げる工夫を施しました。
<床暖房と窓ガラス断熱パネル設置にかかった費用>
温水式床暖房:115万円(10畳)
窓ガラス断熱パネル:20万円(9窓)
総費用:135万円
床暖房施工後は、表面温度が32度にまで上昇。室温は20度程度ですが、足元が暖かいため快適に過ごされているそうです。
●床暖房設置リフォームのポイント・注意点
床暖房を設置するリフォームをするときに、押さえておきたいポイントと注意点を3つ解説します。
●設置する面積をできるだけ広げる
床暖房へとリフォームするときには、設置する面積をできるだけ広く取るのがおすすめです。
床暖房設置時には、コスト削減のために、床面積の50〜70%程度にのみ施工するのが一般的です。確かに部屋の端に置かれた大きなタンスの下や、寝室のベッドがあるエリアなどは、床暖房がなくてもいい場合もあります。
しかし床暖房は、床面積の70%以上に施工することで、ほかの暖房に頼らなくてもすむようになります。施工面積が狭い場合、エアコンを併用しなければ充分に暖かくならない可能性があるのです。
そのため床暖房へリフォームするときには、家具のレイアウトを見直すなどして、できるだけ広く設置する工夫をしましょう。また現在家具やベッドを置いていても、今後部屋の用途が変わることも想定し、床暖房の施工範囲を決めることも大切です。
●家自体の断熱性が低い場合は、断熱リフォームを検討する
せっかく床暖房を導入しても、家全体の断熱性が低ければ、期待した効果を得られない可能性が高くなります。そのため床暖房の設置工事をする際には、あわせて断熱リフォームを検討することをおすすめします。
張り替えにより床暖房を設置するなら、床下に断熱材を入れてもらうと効果的です。また冬に暖房して暖まった空気の58%は、窓などの開口部から流出するとされています*。そのため窓ガラス断熱パネル(暖パネ)を導入すると、効率的に断熱できます。暖パネは比較的安価に設置でき、高い効果が得られるのでぜひ検討してみてください。
*参考:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会「省エネ建材で、快適な家、健康的な家」
【電気式の場合】電気容量は足りるか?
電気式の床暖房を導入する場合、住まいの電気容量が不足していると床暖房を稼働できません。電気容量を増やすためには、電力会社に契約アンペア数の変更を依頼する必要があります。
しかし分譲マンションなど集合住宅では、建物全体での電気容量が決まっていることも少なくありません。そのような場合には、個別に容量を増やすことは各区分所有者の平等性を損なうとして、認められていないケースもあるため注意が必要です。
電気容量に不安があるときには、6畳以下の小さな部屋や、洗面やキッチンなど部分的に導入することを検討するといいでしょう。
【まとめ】 床暖房を設置して乾燥を防ぎつつ足元から暖まる家に
最後にまとめとして、床暖房を設置するメリットを紹介します。
●床暖房は部屋の乾燥を防ぎ、足元から静かに温める
床暖房は、エアコンやファンヒーターといったほかの暖房とは違い、空気を汚したり乾燥させたりすることなく部屋を暖められるのがメリットです。
エアコンやファンヒーターは暖まった空気が直接体にあたるため、確かに暖かく感じますが、その分肌が乾燥します。また石油ファンヒーターは部屋の空気が汚れやすく、定期的な換気も欠かせません。さらにエアコンやファンヒーターで暖められた空気は上にたまるため、足元を暖めるのは苦手です。
一方床暖房は、空気を汚したり乾燥させたりすることなく、足元からじんわりと体を温めてくれるのがメリットです。「頭寒足熱」という言葉がありますが、昔から健康のためには冷えやすい足を温め、熱くなりやすい頭を冷やすのが良いといわれています。エアコンだけでは部屋が寒いと感じるときに、床暖房を併用するのもおすすめです。
●メンテナンス不要で長く使える
床暖房は、基本的にはメンテナンス不要で長く使えることもメリットです。
床下に埋められる床暖房パネルの寿命は30年以上といわれており、その間床を剥がしてメンテナンスする必要はありません。温水式床暖房で使用する熱源機器に関しては、給湯器と同じく8〜10年程度とされています。熱源機器は室外に置かれているので、交換自体も簡単です。
※なお、真冬に外気温が氷点下になるようなエリアでは、循環液に不凍液が使用される場合もあります。その場合、定期的にパイプ内の洗浄や不凍液の交換などが必要です。
■横浜にお住いの方はアリキリリフォームへ
アリキリリフォームでは、床暖房の後付けリフォームのご依頼も承っております。断熱パネルの設置など、より床暖房の効果を高めるための断熱リフォームもあわせてご提案が可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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