投稿:常田 豊
リフォームは施工管理がいのち(1)| アリキリ
少し前になりますが、某超有名不動産が販売した横浜都築区のマンションで基礎杭の施工ミス問題が発覚し建て替え等の大騒ぎになった事がありました。まさしく施工管理の重要さを示す事故(事件)と云うことが出来ると思いました。
『基礎杭が短くて必要な深さに届いていない』あの様な重要な事ですら、しっかり管理されていないことが有り得るのです。数本の基礎杭の施工不良(意図的であろうと無かろうと)が起きると、マンションを壊して建て直すというような、取り返しがつかない事すら施工管理の不備により起きるのです。
リフォームもまったく同じで、どんな小さな事でも事柄によっては、やり直しが難しい、又は大変大掛かりに修復を必要とする事態になります。私は世間一般の皆様が『リフォームをとても簡単な事』の様に誤解されているのではないかと思う事が時々あります。
リフォームは人生の中で使う金額としてもとても大きいし下手をすればやり直しがきかなくなるリスクもあります。そこを左右するのが『施工管理の良し悪し』なのです。
是非多くの皆様に施工管理の重要さを知って頂き、ご自分のリフォームでは決して後悔のないことを願うばかりです。
是非この先をお読み下さい、きっとリフォームに対してみる目が変わります。
最近お引き渡したお客様が以下のようなお話を頂きました。
『アリキリ(当社の略称)さんは他のリフォーム屋さんと比較して金額が少し高いのかなとは思っていたけれど、あれだけやってくれるなら逆に安いと思えましたネ!』・・・と言う内容でした。
この方は現役当時大手ゼネコンで働いていた方で、建築の専門家です。
以前、他社さんのリフォーム何回か経験されていて、世の中のリフォームのレベル感をご存じの方でした。
私は、アリキリが目指しているリフォームがご理解頂けて大変うれしいと思いました。
アリキリはリフォームの黎明期からリフォーム専門会社として長年リフォームに携わってきました。
そしてたどり着いた結論は、お客様にとって、満足があり、価値あるリフォームには以下の3点が欠かせない、という事です。
①施工管理によって工事品質を保つ
②腕の良い職人さんを使う
③将来を見据えてリフォームを提案する
②のよい職人さんを使うと言うことは説明しなくてもご理解頂けると思います。
③に関しては、『住宅維持管理』や『計画的リフォーム』と言う考え方を発表していますので、そちらを参照下さい。
今回は①の施工管理の具体的なお話を書かせて頂きましたので、その重要性を皆様に知って頂きご理解を頂ければありがたいと思います。
以下で詳しく述べさせて頂きますが、本当の意味での、『お得な買い物』と言うのは『価格が安い事では無い』と云う事がきっとご理解頂けると思います。
■「施工管理がリフォームの命」の理由・・・
施工管理と云う言葉は、耳慣れない言葉かも知れませんが、建築業界ではよく使われる言葉です。
簡単に言うと『現場が計画通りに上手く出来上がる為に行う全ての業務を管理する仕事』です。
リフォームの経験のない一般の方はリフォームがどのような手順で行われるのか、ほとんど知りません。
多くの方は、『材料が現場に搬入されて職人さんが来れば自然に出来上がる』程度に考えているかも知れません。
リフォームには以下のようなリフォーム特有の難しさが有り、
①床下や壁内等開けてみなければ分からない部分が多い。
②居住のまま行う為にトイレ、洗濯機等も毎日使用できる状態に戻す事が求められる。
③生活空間内での工事の為、作業スペースと生活の場を区画する事が難しい。
など『新築以上に過酷で困難な問題や制約』の中で行われています。
その為、上記のような困難な状況をクリアしてリフォームを行うには、しっかりと時間をかけて準備を行い、且つ、施工中も十分緊急対応が出来る『施工管理体制が必要』になります。
しかし、業者によっては施工管理体制がずさんな為に素人のようなミスを起こす事が多発しています。
きっとリフォームを甘く見ているからだと思います。
又、お客様の側も少し考えるか、注意すれば分かる様な『業者のうまい誘い話にまんまと乗せられた』と言う、例もあります。
世の中にうまい話はないし、金額が安ければ安いだけの物です。
皆様も状況をしっかりご認識頂き、よく業者を見分ける事で、被害者にならようにして下さい。
■施工管理の具体的な業務・・・
施工管理は契約後に行われる業務全般を云いますが、設計で示されたプランを実際の形にして行く過程です。
『着工前の主な業務』
①実際に現場に対応した精度の高い寸法や位置の確認
②どのような工法や職人さんが最適かの検討
③上記を円滑に行う為の適切な予算や工程の調整
④工程に合わせた材料等や職人さんの手配
⑤着工に向けての各種申請業務
⑥着工に向けての養生や挨拶の準備
『施工中の業務』
①作業車の駐車場や材料搬入ルート、仮置き場の手配
②職人さんへの指示出し、音や埃など近隣への気配り
③解体後の現況確認を行い、準備した材料や工法で対応出来るか確認
④墨出し(機器や間仕切りの取付け位置を示す作業)
⑤配管ルートや配管交換に関しての検討確認
⑥業者間の取合い調整(位置や工程など業者間の問題を調整する、)
⑦大工工事など、仕上前作業の施工チェック
⑧仕上げ業者の作業指示と施工チェック
⑨器具付け作業の作業指示と施工チェック
⑩完了検査~手直し業務
⑪お引き私書類の準備と精算
『作業中の毎日のルーティン業務』
①朝現場に行き、今日の作業の指示を行う。
②夕方現場に行き今日の作業の確認と明日の作業の打合わせを行う。
③現場での不明点の対応(内容に応じて、お客様やメーカーと打合)
④工程の微調整(作業の進捗に合わせた各工程の調整)
上記の様に施工管理者は、毎日非常に多くの事をこなしています。
もし施工管理担当者が居ない状態でリフォームが行われたらきっと下記のような事になるのだと思います。
ある日突然、図面だけを持った職人さんが現れて、
(業者)『奥さん車どこに止めたらいいのですか?』 『キッチンの取付け位置はこの辺でいいですか?』
(奥様)『トイレ、今日使えるようになるのですか?』
(業者)『大工さんがまだ終わってないので、今日、出来ないね、奥さんはいつ大工さん来るか知ってる?』
などという事が次から次に起きるのでしょうね。
施工管理者が、上記の様な事をすべて交通整理していれば工事が円滑に進みます。
■リフォームの質を決める品質管理・・・
施工管理には上記の様に多くの業務が有るのですが、最も重要なリフォームの出来具合を左右するのが『品質管理』と呼ばれる業務です。
この業務は、計画した事がどれだけ『正確で綺麗、且つ機能的』に出来上がるかを握っています。
現場の状態に適した、材料や工法の選択、最適な職人さんの選択、納品業者への適切な時間指定、現場での職人さんとの確実な打ち合わせ、施工後の確認など、全てが確実に行われて始めて高い品質のリフォームが出来ます。
上記を行うには
・事前に十分に考えて、準備をする時間を持つ
・終わった工事を確実に確認する時間を持つ
・職人さんやお客様と十分な打ち合わせ時間を持つ
と云うように、『十分な時間が必要』になります。
何でもかんでも受注をして、準備不足でリフォームを進めるような会社では失敗リフォームが多発するのは当然です。
■価格の差は施工管理の差・・・
残念ながら長期に続いたデフレは商品の価格と同時に今までも質の良くなかった工事品質をより下げています。
リフォームのように一度行ったら30年間は換えられないものまで価格競争の圧力に負けて、『安い事がよい事』のような風潮になっています。
その為にきちんとした工事を行いたいと考えている業者には受注の機会が激減して、低価格を売りにしている業者が多くなってしまい、益々リフォームの品質が下がっています。
常識的に、
『商品や工事が良質ならば、価格も高く、粗雑なものは安い』と云うのが基本です。
『安くするからお得ですよ・・・』と言うのは『質が悪いから安くしますよ』とも解釈出来るという事です。
低価格路線の業者さんは、『品質も下げるし、価格も下げる』と云う考え方で商売を行っています。
下図は価格の模式図です。通常200万円を仮に180万円の低価格で受注した場合には材料費や工事費は
どの業者もほぼ同じ額なので、差は『社員の給料である施工管理費』になります。
一人の社員に多くの現場管理をさせる事で、結果的に個別の現場管理費は図のように小さく出来ます。
しかし、価格を下げると言うことは、品質を下げることでリフォームの場合にはやり直しが出来ない事にもなる事があります。
■施工管理の価値を正しく知る・・・
アリキリは『品質は下げない、』と言う考えなので、施工管理費を削減する事はいたしません。
この分、すこし価格が高くなるかも知れません。
この価格の差は施工管理の差、即ち『品質の差』です。
『しっかり管理され、高品質なので価格も少し高いです・・・』
と言う、ごく当たり前の事で、品質の高い事を求めている方には、価値と満足のあるお得な買い物になるはずです。
リフォームの品質は見た目もありますが、見えない部分が重要です。
同じ商品を設置する場合でも、施工管理者がどこまで考え、どこまで気を使い、職人さんに指示が出せるか、という事で、リフォームの質に差が出来ます。それが、『施工管理の本領』とするところです。
とことん考え抜いたアイデアや隅々まで行き届いた気遣は、使い勝手や安全性に大きく寄与します。
当然、見た目の出来の良さにも違いが出ます。
こうした事で、リフォーム全体としての価値が高まり、お客さんにとっても、良い物を手に入れたと言う満足感が生まれます。
このように、施工管理は、考える、確認する、思いを入れる等、目に見えない事ですが、リフォームの質を左右しています。
例えば、浴室リフォームの際に将来のキッチンリフォームを考えて、予備の配管をしておくとか、汚水管の交換と言う一手間掛けてでも、トイレの入口段差を無くす、と言った事です。
段差が付いたまま、これから30年間使用するのと、段差無しで使えるのでは大違いです。
面倒なことでも時間を作って丁寧に考えると良いアイデアが出て来ることが多々あります。
又、ちょっとした準備工事を行っておく事で、将来リフォームを行う際に大きな無駄の削減に繫がる事も良くあります。
施工管理が行き届いたリフォームは今少し高く感じても、使い始めると満足が有り、将来的にも得な結果をもたらすと考えています。
アリキリは工事費を不足のないようにしっかり見積り経費も施工管理がしっかり行える様に計上しています。
その結果、しっかりした施工と施工管理が出来るのと考えています。
■職人さんを適材適所に入れるのも施工管理の仕事です・・・
ここからは職人さんの話です。
施工管理者がしっかりした判断の下に、適材適所に職人さんを適時に入れる事で現場の出来が大きく変わって来ます。
普通の難易度の仕事はどの職人さんでも出来ますが、難しい仕事では職人さんの腕の差がはっきり出て来ます。
リフォーム業者は、限られた職人さんを仕事内容によって使い分けします。
ここで問題になるのは、安い価格で受注をした場合には予算が無いので腕の良い職人さんを使う事が出来ないという事です。
昔から『押っつけ仕事』と云う言葉がありますが、『何とか納まっていさえすれば良し・・・』と言うレベルになりかねないのです。
一度良い仕事を見れば誰でもその違いは分かります。
私も完了検査で何度も経験していますが、きちっと気持ちを込めて作った現場からは何か、オーラのような波動を感じ気持ちの良いものです。
多くの方に腕の良い職人さんの良い仕事を味わって頂きたいと思います。
■スーパーゼネコンで学んだ施工管理・・・
これまでリフォームに於ける施工管理の重要性を述べてきました。
アリキリで実施している施工管理の基礎は私が設備関係の仕事を行っている時にスーパーゼネコンの清水建設で叩き込まれました。
さすがに清水建設の施工管理は中堅のゼネコンとは桁違いに厳しく、私の施工管理のレベルを大きく向上させる事になりました。
事前の計画検討や施工基準の厳しさ、施工中のチェック項目の多さと検査の厳しさは、胃が痛くなる程で大変勉強になり現在のアリキリの施工管理の原点になっています。
今、アリキリでは現場施工マニアルを整備し、日常的には管理ボードを利用して、現場管理の徹底を計っています。
又、定期的に勉強会を開催して次世代を支える若手社員に質の高い施工管理を継承しています。
是非リフォームに於ける施工管理の重要性を多くの方にご理解頂き、発注の際にダメな業者に依頼しない事を期待いたします。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
一級管工事施工管理技士
2級建築士
マンションリフォームマネージャー
代表取締役 常田 豊
記事タグ:横浜 リフォーム|リフォームは施工管理がいのち(1)| アリキリ
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