投稿:常田 豊
35才からのリノベーション失敗しない7つのポイント
データーで見ると当社のホームページを訪問頂くお客様は年齢が35才から45才の層が約35%で一番多く、25才から35才の層が約25%で2番目になっています。(下図参照)
私の推測ですが、こうした年齢層の方が興味を持つとすれば、これから購入する『中古マンションのリノベーション』に関してではないかと思います。新聞等の報道でも始めて住宅を購入される若い方たちに中古マンションの人気が高い事を伝えていますが本当にこの事を実感させられます。
戸建てに比較してマンションは駅に近いなど交通やその他さまざまな点で利便性が高い傾向に有ります。上記の事から若い方が手ごろな価格で利便性に優れている中古マンションベーションに興味を抱いていると云う事は大変賢い考え方だと思います。
しかし、リノベーションには『古い建物故に起きる特有な問題』があります。この問題は、表には見えない地味な問題なので、つい見逃しがちですが毎日の生活に係わる大きな問題でもあります。
ある意味、古い建物なので、悪い所があって当たり前ですが、ポイントはリノベーションの時にそこを見逃さずにやるかどうかです。残念ながら業者にもお客様にもそうした認識が薄いために実際に住んでからこうした問題が出て来てしまいます。
これから中古マンションの購入やリノベーションをお考えの方はそうした点を認識してしっかり検討されればより賢く、安全な中古マンションリノベーションの取得が出来ると思います。
今回は、こうした7つの問題と解決方法を皆さんと一緒に考えて行きます。
≪目次≫
1.チラシに欺されない!リフォームとリノベーションの違い・・・
2.2通りのリノベーションマンション取得方法・・・
3.リノベーション済みマンションの問題点・・・
4.リノベーションといっても内容には大きな違いがある・・・
5.リノベーション済みとオーダー型リノベーションの価格差・・・
6.リノベーション済みとオーダ型ーリノベーションの選び方・・・
7.オーダー型リノベーションのメリットと実際の進め方・・・
1.チラシに欺されないリフォームとリノベーションの違い・・・
中古マンションの販売チラシなどに、リフォーム済みとかリノベーション済みなどと書かれているのをご覧になると思いますが、皆さんはこの区別が明確に出来ますか?実は業界でもまだリフォームとリノベーションの違いが明確になっていません。
ちなみに、Wikipediaによると・・・≪ リノベーションとリフォームは混同されやすい言葉である。 … リフォームは「老朽化した建物を建築当初の性能に戻すこと」を指し、元に戻すための修復の意味合いが強い。
古くなったキッチンを新しいものに変えることや、汚れた壁紙を張り替えるなどの小規模な工事は「リフォーム」に分類される。対してリノベーションは『もっと良くする・・・』と言う意味合いがある。≫となっています。
販売チラシを見ているとたまに、クロスの貼り替えを行った程度の物件でも『リノベーション済み』とうたって販売しているのを見かけます。
私の個人的な感想ですが、リフォームよりもリノベーションの方が全面的にやってある感じがするとか、かっこいい感じがすると言う理由で使われているのではないかと思います。不動産業界もリフォーム業界もその程度の認識だという事を知って言葉に欺されない様にして下さい。
2.2通りのリノベーションマンション取得方法・・・
リノベーションマンションを取得するには2通りの方法が有ります。
ひとつは『リノベーション済みマンションを購入する方法』、もう一つは『中古マンションを購入してからリノベーションを行う方法』です。
一般的に『リノベーションマンション』と云うと前者のリノベーション済み中古マンションを指すことが多いようです。
リノベーション済マンションは不動産業者が中古マンションを自社で買い取り、リフォーム業者がリノベーションを行いそれをリノベーションマンショントして販売します。こうしたリノベーションマンションは『キレイな所にすぐ入れる』と言う理由で人気が有り、中古マンションを購入される方の70%になっています。
もう一つの方法はそのままの状態で中古マンションを購入しリノベーションもので、当社では区別するために『オーダー型リノベーションマンション』と呼んでいます。この方法の特徴はリフォーム業者の設計段階から参加してプランを作り、
お好みのメーカーのキッチン等を設備機器を選択し、好みの内装に仕上げる事が出来る点です。ほぼご自分の希望通りに出来る事からオーダー型リノベーションマンションと呼んでいます。
3.リノベーション済みマンションの問題点・・・
リノベーション済み中古マンションを購入される方の主な理由が≪①キレイ ②即入居ができる ③リフォームする手間が省ける④リフォームにお金を掛けたくない≫となっています。
確かにキレイな所にすぐに入居できるのは事実で大変魅力があります。しかし、問題も有ります。一つは『購入してからリノベーションを行うより金額が高くなる』点、もう一つは、『施工の状況が詳しく分からない』点です。
以下で詳しく説明いたします。
1)購入後にリノベーションを行うより高くなる
リノベーションマンションは不動産業者が中古マンションを購入し、リフォーム業者にリノベーションを発注し完成したら販売します。
販売価格は中古マンションの仕入れ価格とリノベーション費用に利益を乗せて販売します。
上記の様な仕組みなので普通に考えても不動産会社の利益分だけ高くなる訳です。
2)施工の内容が詳しく分からない・・・
完成してしますと我々でも問題点を確認する事はそう簡単ではありません。例えば、スケルトンで工事を行ったのか、既存下地は残したのか水道管はやり替えたのか、壁などの断熱処理は行ったのか・・・といった点です。
特に水道管など配管の交換や断熱は入居後に問題になる場合があります。リノベーション済みマンションを購入される場合には出来れば販売会社に詳しく確認した方が良いです。
3)リノベーションマンションで問題が起きやすい原因・・・
これは私の推測ですが・・・不動産会社はお客様が求めやすい価格で出来るだけ早く販売したいので販売価格を抑えようとします。その際、リノベーションに掛かる費用を押さる傾向があります。
しかしながら、見た目には魅力的なリノベーションでなければ売れません。そこでお客様にアピールするべきシステムキッチンや建具などにはしっかり費用を掛けます。
その結果どうしても見えない部分のコストを圧縮しがちになるのではないでしょうか。すべての物件ではないでしょうが、現実はそうした考えが優先されていることも確かです。
4)こんな事例がありました・・・
その証拠に当社には年間何件かこうした問題のご相談を頂きます。
例えばこんなご相談がありました。『2年程前にリノベーション済みマンションを購入したのですが子供部屋と寝室のクロスにカビが発生してしまいました。』、販売会社に問い合わせても『それはしょうがないです・・・』で、らちが開かないのでと言う相談でした。
当社のスタッフが現地を見せていただき確認したところ、建物のコンクリート壁に断熱がされていない事が分かりました。更に、お部屋の使用状況を確認しましたが、暖房はエアコンで行っていて、温度も通常の設定だと云う事なので原因は間違いなくこれだと確信しました。
元々の建物は築年数が古いので、断熱材の設置がされていなかった事はしかたないのですが、せっかくリノベーションを行うのですから、最新の建物になるべく性能を近づける、『いまよりもっとよくする』と言うリノベーションの精神に則って工事を行って欲しかったと思います。
ちなみに、このリフォームで掛かった費用は180万円位だったと記憶しています。もし、リノベーションと同時に行えば50~60万円で済んだのではないかと思います。
同じようなことで問題になるのが給水や排水管の交換です。これもリノベーションの時に行っておけば30~40万円で済むのですが、完成してしまってから交換するとなるとキッチンの取り外し費用や床や壁の復旧費などで150~200万円程度の費用が掛かると思われます。
リノベーション済みマンションの購入動機にお金を掛けなくないと言うのがありましたが、こうした事が起きるとリノベーションの時に掛かる費用の何倍もの出費になってしまいます。
こうした事は我々リフォーム業者だから知り得ることで、不動産業者さんは知らないかも知れません。これから中古マンションの購入をお考えの皆様は『本当の意味で費用が掛からないとはどう言う事か?』良くお考え頂いた方がよいと思います。
尚、不動産業者だけでなくリフォーム業者も断熱材の必要性や配管交換の必要性を認識している業者が少ない事も付け加えておきます。
4.リノベーションといっても内容には大きな相違がある・・・
リノベーションマンションは一定の基準があるわけではなく販売業者がネーミング上採用している事をお話ししました。
ここで、改めて皆様に知って置いて頂きたいのは、リノベーション済みといっても色々なレベル感が有ると言うことで、そのレベルは概ね以下の表の様です。
≪スケルトン方式≫
既存の造作材をすべて撤去しコンクリートむき出しの状態から工事を始める事を指します。この方式のメリットは一から工事を行うので出来上がりの精度が高くなる事とすべてが無くなるので、建物の弱点がかなりの範囲で対処出来る事です。リノベーションの本来の意味が『もっと良くする』と言う点から、最もふさわしい工法です。
プロの目から見た『もっと良くする』と言う点は地味な工事ですが以下の様な事が重要な工事項目です。
①かび結露防止の為の断熱工事
②古い配管の交換工事
③電気配線の交換
④精度の高い造作工事
≪準スケルトン方式≫
上記の項目の①~②の工事に関係ない部分の下地を再使用する考え方で予算の減額ができます。当社でも、予算調整の最終手段としてお客様にご提案する事が有ります。
≪下地残し方式≫
基本的に下地を残す事でかなり大幅なコストダウンを図る方法で、①~④を行う事はほぼ不可能になります。
≪既存残し方式≫
リノベーションというよりはむしろリフォームで、新しくする事が目的では無く、変えなければならない部分は交換するが、なんとか使える部分は工夫をして使う、と言う考え方なので、通常のリノベーションでは交換を行う木枠やドアも塗装などの安価な化粧直しで済ませる方法です。
このように色々なレベルのリノベーションのやり方が有り、価格も大きく違ってきます。例えば床面積70㎡のマンションでのリノベーションでは、①スケルトン方式では1050万円~④既存残し方式では560万円位なります。
このように出来上がりを見ただけでは分かり難いですが、リノベーションといっても大きな差がある事を知っておいて下さい。
5.リノベーション済みとオーダー型リノベーションの価格差・・・
前の項でも少し書きましたが不動産業者がリノベーションマンションを販売する祭には中古マンションを自社で買い取り、リノベーションをリフォーム業者に発注します。そのリノベーション費用に利益を上乗せし、販売価格を決定します。
通常リノベーション価格の15~20%位を上乗せしていると云われているので、150万円前後になるのではないでしょうか。仮に、中古物件を購入し、ご自分でリフォーム業者に頼んだ場合には150万円の費用が浮くことになり、その費用で断熱工事や配管の交換が出来るし、ワンランク上のリノベーションを行う事も可能です。
6.リノベーション済みとオーダー型リノベーションのどちらを選ぶか?・・・
リノベーションは最初の計画から完成までおよそ4ケ月位掛かります。その間打ち合わせ等もかなりの回数になるので、どうしても忙しくて時間が取れないとか、何かの事情ですぐにご入居されたいと言う場合にはリノベーション済みマンションが良いかも知れません。
利便性の良い所に古いマンションが売りに出されていて、周辺の環境も子育てに適している場合で『ここに快適な住まいを作りしばらくは家族みんなで楽しく暮らそう!』と云う場合には、オーダーリノベーションが向いています。
基本的な間取り設計もお子様の成長に合わせてプランする事が出来るし、なにより古いマンションの問題点をご自分の目で確認し、改善後も確認も出来ます。更にご予算に合わせて、どこに費用を掛け、どこは省くといった調整も可能です。
そして、工事中にご自分のプランした住まいの建築の様子をご家族で見学するのも楽しい想い出になるのではないでしょうか。
又、長く住むのであれば施工後のメンテナンスも5年後、10年後と定期的に必要になります。そんな時でも面識のあるリフォーム会社があればとても安心です。
7.オーダー型リノベーションのメリットと実際の進め方・・・
1)オーダーリノベーションのメリット
よくよく考えるとオーダー型リノベーションはとてもすばらしい工法で、間取り設計は新築のマンションでも叶わない『自由設計』です。そして価格はリノベーション済みより安いのです。
各部屋の大きさ、キッチンのレイアウト、自由な収納、ご家族の人数に合わせたリビング、状況合わせて部屋を区切る可動間仕切りや趣味のコーナーなどなど、ご自分の夢の住まいを思う存分描くことが出来ます。
確かに設計から完成まで長い時間が必要ですが、この時間は夢に向かう楽しい時間とお考え頂ければ良いと思います。
又、当社の様に経験のあるリフォーム会社なら、古いマンション特有の問題点もしっかり改善をし、更にお客様の目で確認して頂く事が出来ます。その為、入居されてから結露や水漏れで悩まされる事も無く予定外の出費の心配もありません。
オーダー型リノベーションの主なメリットは以下の様です。
①費用がリノベーション済マンションより安い。
②間取りを自由設計で出来る。
③設備機器もご自分の好みに合わせて選択が出来る。
④フローリングやクロスなどインテリアデザインがご希望の通りに出来る。
⑤費用配分をご自分でコントロール出来る。
⑥収納が自由設計で出来るので無駄なスペーズが出ない。
⑦中古マンション特有の問題点をご自分で確認し改善を確認出来る。
⑧工事過程をご自分で確認出来る。
2)実際の進め方
≪現場確認≫最初に行う事は購入された現場を一緒に確認する作業です。水回りの配置の確認、カビの発生の状態、構造体の特徴、ドアや窓の状態などです。そして、『ここをああしたい、あそこをこうしたい・・・』という、皆様が描いている夢のプランをお聞かせ頂きます。
≪プラン作成≫現地の状況と皆様のご希望になるべく添ったプランをお作りいたします。約1週間~10日くらいでプランをお見せする事ができます。当社では≪ウォ-クインホーム≫というソフトで作りますが、名前の通りお部屋の中を歩くような感覚で、色々な角度から間取りのチェックが出来ます。内装や設備機器の色柄も自由に変更出来るのでイメージが作りやすいです。
≪見積作成≫上記のプランに添って見積金額を算出します。見積は最初は最大限のご希望を入れ込み、予算に合わせて調整して行く方法がよいと思います。作成日数は約10日~2週間くらい掛かります。
≪ショールーム見学≫プランと見積書が揃った所で、設備機器、フローリングやドアなどをショールムで確認して頂きます。見積書に記載が有るメーカーの他のメーカーをご覧頂き各々の特徴と価格を確認して、ご自分に最も適した商品をお選び頂きます。
【ショールーム見学のポイント】ショールーム見学はご自分で好きな時に行く事も出来ますが、予約を取って行くと専任の担当者が付いて詳しく商品の説明をしてくれます。その際には図面や商品に関しての資料をお持ち頂くと話がスムースに進みます。
当然当社から予約をお取りすることもさせて頂いています。
≪再見積作成≫この段階はショールーム見学等で設備機器が変更になったり、家族会議で収納が変更になったりします。このような変更に合わせて見積修正作業を行います。このように少しずつ詰めて行き、内容と金額の折り合いを付けて行きます。
≪契約≫工事の内容と金額の調整が済んだところで、契約を行います。契約書類を作成し取り交わしを行います。現場確認から契約までは約1ケ月~1.5ヶ月位です。
≪着工≫ご契約頂いてから正式に材料の発注や職人さんの手配を行います。その間も細かな納まりや、色柄等の打ち合わせを行って行きます。きっとリフォームの夢が最高に広がる時だと思います。契約から着工までは約1ケ月位です。
≪施工中≫リノベーションの内容にもよりますが、この規模の工事は1.5ケ月~2月の工期が必要です。工事の途中では、断熱工事や配管の交換など適切な時期に現場の確認をして頂きます。又、工事の進捗に合わせて収納の細かな寸法や各部の納まりを確認して頂きます。徐々にお部屋の骨格が出来てくると実感が湧いてきます。
≪お引き渡し≫お引き渡し10日くらい前からいよいよ内装工事が始まり仕上げに向かいます。コンセントや便器が付いて工事は完成、後はクリーニング業者さんが最後の仕上げを行い完成です。施工前に比べ余りの違いに多くのお客様が大変喜こばれます。我々もこのお客様が喜ぶ顔を見るのが大変うれしく、リフォーム屋冥利に尽きる喜びの時きです。
長いブログを最後までお読み頂きありがとうございました。
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少数のスタッフで行っている為、今は以下のエリアの物件しか対応出来ませんが、このエア内で当社のオーダー型リノベーションの考え方にご興味のある方は是非ご相談下さい。
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記事タグ:35才からのマンションリノベーション、失敗しない7つのポイント
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