「築40年の住宅のリフォームにどれくらいの費用がかかるのか知りたい」
「できるだけ費用を抑えてリフォームしたい」
このようにお考えではないでしょうか?
築40年の住宅は、クロス張り替えといった見た目だけを整える表層リフォームではなく、耐震性や断熱性も考慮した、大がかりなリフォームを検討する必要があります。しかし全体的なリフォームとなると、どれだけ費用がかかるのか、心配になってしまいますよね。
そこで今回は、築40年の住宅リフォームにかかる費用を、内容ごとにご紹介します!築40年の住宅をフルリフォームするメリットや、費用を抑えてリフォームするのに役立つ公的補助金情報もあわせてご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。
●住宅の生涯から見た 築40年リフォーム
所有している住宅を生涯維持管理していくのに、一体どれくらいの費用がかかるかを考えたことがあるでしょうか?
当社が行ったアンケートによると、漠然と500〜700万円程度と考えている方が多いようです。家を持ったばかりの30代の方は、200万円と答えた方もいました。
しかし、住宅を維持管理するには、思った以上の費用がかかります。実際にどれくらいの費用が必要なのかを確認しておきましょう。
●住宅の維持管理の流れと費用
住宅は、建築して住み始めた瞬間から劣化が始まります。良い状態をできるだけ長く保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。
一般的には、新築から10年単位で一定の機器交換や外壁メンテナンスを行います。そしておおむね築30年程度で、浴室などの水回りや屋根の葺き替えといった大がかりな再生工事を実施します。そしてまた10年ごとに、機器交換や外壁メンテナンスを繰り返していくのです。
住宅を維持管理していくのに必要な費用は、
- ・一戸建て住宅:1,600万円〜2,000万円
- ・マンション:1,500万円〜1,800万円(修繕積立金含む)
程度を見込んでおく必要があります。
「そんなにかかるの?」と驚かれた方が多いかもしれません。しかし家は人間の体と同じで、定期的なメンテナンスをきちんとすることで寿命を延ばすことができるのです。
そのため住宅を購入するときには、将来の維持管理費まで折り込んだ長期的な資金計画を立てることが大切です。次章からは、築40年の住宅に必要なリフォームの内容と、費用の目安をご紹介します。
●築40年のリフォーム内容と費用
築40年の住宅に必要なリフォームの内容と、費用の目安をご紹介します。
●耐震性を確保するリフォーム
2022年時点で築40年以上の住宅は、新耐震基準が導入される1981年5月以前に建築されている可能性があります。新耐震基準は、震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しないような基準が設定されていますが、旧耐震基準では震度5程度とされています。
近年震度5以上の地震が相次いでいることを考えると、安全性を確保するための耐震性を向上させるリフォームは優先すべき工事です。耐震リフォームは、耐震性の高い壁にする、筋交いを増やして補強する、土台部や柱など構造の接合部に接合金物を取りつけるといった内部からの対策や、屋根・外壁の軽量化などいろいろな方法があり、内容により費用も大きく異なります。
耐震リフォーム | 耐震診断 | 20~40万円 |
耐震改修 | 100~200万円 |
●屋根の葺き替え、外壁塗装
日々直射日光と風雨にさらされている屋根や外壁は、家のなかでも劣化が進みやすい場所です。一般的には、屋根や外壁に塗られている塗料の耐用年数にあわせ、10〜15年程度での定期的な塗り替えと、外壁材や屋根材の寿命に合わせた張り替えや葺き替えが必要です。
外壁や屋根塗装、張り替えや葺き替えなどにかかる費用は、使用する塗料や部材の種類によって違いますが、一般的な目安は以下のとおりです。
外壁・屋根リフォーム | 200〜350万円 |
●水回りリフォーム
水回りのリフォームは、故障や不具合がでた時点で検討するのが一般的です。しかしキッチンや浴室などの設備は日進月歩で進化しており、機能性が向上しています。快適さを求めるのであれば、定期的に最新機種への入れ替えを検討しましょう。
また、築40年以上の物件は、鉄管や鉛管などサビやすい給水管が使用されているケースがあります。そのような場合は、水回りリフォームとあわせて配管リフォームしておくことをおすすめします。
水回りリフォーム | キッチン | 80万〜100万円 |
トイレ | 洋式から洋式27万〜50万円 | |
和式から洋式:30万〜60万円 | ||
浴室 | 在来からユニットバス:120万〜150万円 | |
ユニットバスの交換:80万〜150万円 | ||
配管 | 20万円(スケルトンリフォームとあわせて施工する場合) | |
●断熱性、気密性を確保するリフォーム
築40年を超える住宅のうち、木造の一戸建ては断熱性や気密性が低いケースが多いことが特徴です。その場合、外気温の影響を受けやすいため夏暑く冬寒くなり、光熱費がかかります。また結露しやすいため、ダニやカビが発生したり、構造が劣化したりする恐れもあります。
リフォームにあわせ、壁や床に断熱材を入れ、窓を二重サッシや複層ガラスに交換するなどし、断熱性と気密性を高めることをおすすめします。
間取り変更 | 70~350万円 |
バリアフリー (手すり設置・段差解消・廊下拡張など) | 10万〜60万円 |
●築40年住宅のスケルトンリフォーム
築40年以上になる住宅をリフォームするなら、部屋ごとに個別対応するよりも、スケルトンリフォームがおすすめです。
ここからはスケルトンリフォームとは何なのか、メリットとあわせてご紹介します。
●スケルトンリフォームとは
スケルトンリフォームとは、内装や外装をすべて解体・撤去して、スケルトン(柱や基礎だけの状態)にし、一から新しく作り直すことを意味します。
一般的なリフォームは、劣化や不具合のある箇所を修繕する、つまりマイナスをゼロに戻す「原状回復」的な意味合いがあります。一方スケルトンリフォームは、マイナスからプラスへと一気に転換させ、今のライフスタイルにマッチした機能性の高い住宅へとリフォームすることを指します。
築40年以上の住宅には、対処療法的な部分リフォームではなく、根本的に再生させるスケルトンリフォームがおすすめです。
●築40年住宅におけるスケルトンリフォームのメリット
築40年住宅にスケルトンリフォームをおすすめするのには、以下のようなメリットがあるためです。
- ・下地からやり直せるため状態を新築同様にリセットできる
- ・給排水管など、目に見えない部分も刷新できる
- ・現在のライフスタイルにあわせた間取りへ自由に変更できる
- ・耐震性や断熱性をあげる工事も家全体に施工できる
- ・部分リフォームを繰り返すよりトータルコストが安くつく可能性がある
リフォームを考えるとき、コストを抑えるために水回り設備の入れ替えや、壁紙・床材の張り替えといった表面的なリフォームで済ませたいと考える人が少なくありません。しかしそれでは、壁の裏側や床下、配管といった「目に見えない部分」は古いまま残ってしまいます。
その点スケルトンリフォームは、内装・外装をすべて取り払うため、目に見えない箇所の劣化や不具合も、すべて解消できるのです。その結果、家の寿命を大きく延ばせるのが、スケルトンリフォームのメリットです。
●施工事例:築40年のマンションのスケルトンリフォーム
ここでは当社で実施した、築40年の物件のスケルトンリフォームの事例をご紹介します。
- 地域:港南区野庭団地
- 施工期間:1ヶ月
- 費用:9,150,000円
団地によく見られる独立キッチンを、リビングとの間の間仕切り壁を撤去することで広々とした現代風のLDKへとリフォーム。床の高さをベランダ出入り口の掃き出し窓に高さをそろえることで、全室バリアフリーとしました。壁と仕上げ材の間には断熱材を入れたので、断熱性能も向上しています。
施工事例はこちらをクリック
●築40年リフォームで提示できるオプション
築40年の住宅をリフォームするときには、基本的にはスケルトンリフォームで抜本的に作り直すのが理想です。
しかし予算の兼ね合いから難しい場合には、順番に部分的に施工し、費用のバランスを取ることも可能です。
どこの工事を優先するのかは、住宅の劣化状況により異なるので、リフォーム業者の担当者などのアドバイスを受けましょう。
将来的なリフォームを念頭においた工事をしてくれる、施工管理がしっかりとした業者を見つけるのがおすすめです
●フルリフォームか新築か
住宅の状態によっては、フルリフォームよりも新築したほうが良いケースもあります。一般的に、以下のようなケースでは、新築を検討します。
- ・地盤が緩んでいる
- ・住宅の基礎や構造部分の劣化がひどく進んでいる
地盤が緩んでいる場合、家自体が傾いてしまっている可能性があります。そのようなケースでは、家を取り壊して更地にし、地盤改良からやり直す必要があります。
またフルリフォームは、基礎や柱、梁(はり)といった構造部分が健全な状態であることが前提です。基礎に大きなヒビが入っている、柱の白アリ被害が広範囲であるような状態では、補修するほうが高くついてしまいます。そのような場合も、新築するのがおすすめです。
●築40年のリフォームに活用できる補助金・減税制度
ここからは、横浜市にある築40年以上の住宅をリフォームする際に活用できる補助金や減税制度をご紹介します。※記載している内容は2022年1月現在のものです。
●横浜市住まいのエコリノベーション(省エネ改修)補助制度
横浜市内にある住宅の省エネルギー性能を向上させる、住宅の開口部および浴室の断熱改修工事などに要する費用の一部を最高120万円まで補助する制度です。対象住宅の所有者・区分所有者が制度を利用できます。
対象となる住宅には、耐震性など条件があります。詳しくは以下からご確認ください。
「横浜市住まいのエコリノベーション(省エネ改修)補助制度について」
●横浜市高齢者等住環境整備事業
横浜市にお住まいで支援または介護を必要とする高齢者や障害児・者が自宅で安全に暮らせるよう、専門スタッフが身体状況や住宅の状況などにあわせて改修のアドバイスを行い、それに従って実施された工事費用の一部を限度額上限100万円まで助成する制度です。
対象者・対象工事など詳細は、以下でご確認ください。
●横浜市木造住宅耐震改修促進事業
1981年(昭和56年)5月末日以前に建築確認を得て着工された2階建以下の在来軸組構法の木造個人住宅(自己所有で、自ら居住しているもの)で、耐震診断の結果点数が1.0未満と判定された住宅について、耐震改修工事費用の一部を補助する制度です。一般世帯で100万円、非課税世帯で140万円まで補助されます。
制度についての詳細は、以下からご確認ください。
(上記耐震改修促進事業に関しては専門性が高いので現在当社では扱っておりません。)
●リフォーム減税制度
一定の要件を満たすリフォーム工事を行うと、所得税と固定資産税の減税を受けられます。主な減税制度は以下のとおりです。
<所得税の控除>
一定の条件を満たせば、工事を行った翌年に確定申告することで、以下の減税制度が適用されます。
減税制度 | リフォームローン要件 | 控除期間 | 控除額 |
---|---|---|---|
①投資型減税 | ローンの有無によらない | 1年 | 標準的な工事費用相当額の10% |
②ローン型減税 | 5年以上の償還期間 | 5年 | 性能向上リフォーム費用の2%および年末ローン残高の1% |
③住宅ローン減税 | 10年以上の償還期間 | 10年 | 年末ローン残高の1% |
<固定資産税の減税>
一定の条件を満たすことで工事完了後3か月以内に申告すると家屋の固定資産税の減額を1年度分受けられます。
リフォームの種類 | 軽減額 |
---|---|
耐震リフォーム | 1/2 |
バリアフリーリフォーム | 1/3 |
省エネリフォーム | 1/3 |
長期優良住宅化リフォーム | 2/3 |
各制度の詳細・対象リフォームの内容などは、以下をご確認ください。
一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォーム支援制度」
●まとめ
築40年を超える住宅は、内装や外装を撤去したうえで下地からやり直すフルリフォームがおすすめです。
一度に工事をするのは費用負担が大きくなりますが、個別にリフォームしていくよりもトータル的には安くつく可能性があります。
予算の関係などから順番にリフォームを進めるときには、将来的な工事を考慮してリフォームプランを立ててくれる業者を選ぶと安心です。
アリキリリフォームでは、住宅の劣化状況を見たうえで、どのお部屋から優先的にリフォームするべきかといったアドバイスも含めてプランをご提案できます。
横浜市にお住まいの方は、ぜひご相談下さい。 なお、当社ではきめ細かな施工管理を行うために、横浜市内でも自社からおおむね30分以内となる以下のエリアのみに対応範囲を限定しております。
エリア外の皆様には大変申し訳ございませんが、ご理解いただけると幸いです。
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営業エリア:横浜市 / 港南区・栄区・南区・戸塚区・磯子区・金沢区・泉区・旭区・保土ケ谷区
当社はきめ細やかな対応を営業方針としており、概ね30分~40分以内のエリアに限らせて頂いております。詳しくはお問い合わせください。 リフォームのご相談はメール・お電話にて事前にご予約をお願いいたします。ご相談申込みページ -
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