(旧)始めましょう35才からのリノベーション|横浜 港南区 リフォーム

投稿:常田 豊

今やリノベーションという言葉は市民権を得た一般的な言葉になりました。

リノベーションは比較的築年数の古い建物を安めに購入して、その分の費用を性能や機能の向上に充当し、新築に比べて安価でありながら機能や性能では劣らないという点で人気が有ります。

しかしこの言葉の定義が非常に曖昧で、①業界では『大規模にリフォームした中古マンション』をリノベーションマンションと云い、②購入するお客様側は『新築同様の性能や機能を持ったマンション』と考えているようです。

そして『悲劇はこの意識のズレにあります。』、お客様はほぼ新築同様と思い購入しますが、多く販売業者は販売のしやすさから見えない部分には手を入れないで、見た目だけを新しくして販売する傾向があります。

こうした物件を購入してしまったお客様は、入居後に『結露やカビが発生する、配管が漏水する』と云った基本的な問題で悩まされる事が出てきます。せっかく夢の新居が実現したのにこれではたまりません。

本来リノベーションという言葉は単に見た目を新しくするだけではなく『古い建物に新たな機能や性能を追加して今の生活に対応出来る様にする・・・』という意味がありまが、明らかに基本性能で新築のマンションに劣っているという事では論外です。

そこで登場するのが『スケルトンリノベーション』と云う考え方です。スケルトンとは骸骨という意味で床や壁などの造作を全部取り壊し、建物の骨格であるコンクリート部分だけを残し、『現在の新築同様に断熱や配管を行い、部屋を作り替える工法』です。

このスケルトンリフォームという手法を用いれば、築25~35年のマンションでも多くの部分を新築同様のレベルに再生する事が出来ます。

若い方が住宅を購入する場合に重要なのは『購入後30年間程度は大きな出費が無い』という事です。スケルトンにして『断熱の不備や劣化した配管の交換等』を積極的に行うことで30年間安心できるリノベーションが完成します。

今回はこのスケルトンリフォームを詳しく掘り下げて行きます。特に中古のマンションを購入してリフォームをお考えの30代、40代の若い方に読んで頂ければと思います。

1.スケルトンリフォームが最適なケース

築25~35年のマンションを新築同様にする為にはすべての水回り機器の交換と全部屋の造作や内装を交換する大掛かりなリフォームが必要です。リフォームの考え方として『再使用出来る物は使用する』というのが有りますが、『新築同様にこれから30年間大きな工事を行わないで使用するには古い物をすべてを取り除き一から作り直す事が最適な工法と云えます。それがスケルトンリフォームの最大の特徴でスケルトンリフォームの基本的な考え方です。

リフォームは色々なやり方が可能で、上記とほぼ同様な大規模なリフォームでも複数回に分けて行う事が可能ですが、費用や工期、耐久性、出来具合などすべての面で一度にすべてを解体してから行うスケルトンが勝ります。

特に25年を超えるような比較的築年数の経った中古マンションを購入される場合には基本的にスケルトンでリフォームする方が得策と云えます。その理由はこの年代のマンションは断熱に対して今ほど大きな規制や関心が無かったために、断熱性能が悪く壁内部で結露が発生し、それが原因でカビが発生するという悪循環を起こします。(詳しくはこちら・・・)

更に、この時代の配管は鋼管系が使用されているために劣化が進み錆びの発生や漏水の危険性が高くなっています。その為にもスケルトン状態にして配管を樹脂製の配管に交換する事が必須になります。(詳しくはこちら・・・)

これを無視してリフォームを行うと、いずれ配管の寿命による漏水など大きな事故が起きる可能性が高くなり、結果的に数年内に配管の交換を強いられることになります。おわかりと思いますがこの状態になってからの工事は費用が5倍も10倍も掛かる事になり大きな無駄になります。

≪解体前≫

≪解体完了≫

スケルトンでは上の写真のように造作をすべて解体し、この状態からリフォームを行います。

2.スケルトンリフォーム4つのメリット

1)正確な施工が可能な事

スケルトンは既存にこだわらずに一から作るので既存の傾いている床や柱、建具に合わせる必要がありません。皆さんは驚かれるかもしれないですが、25~35年前のマンションは今のように性能の良い測定器具がなかったので、建築の基本である水平垂直が不正確な事と建築後の建物本体の歪によるものです。1m当たり1センチ近く傾いていることはよくありますが、スケルトンならばこのような問題点の多くが解決出来ます。

新しいい床の下地(防音置床工法)

2)性能向上と見た目が綺麗に出来上がる

スケルトンでは床も一から作るので、上の写真の様に最新の防音床の設置が出来ます。この方法は『置き床工法』と云いますが、床下地に防音性能を持たせる為に、仕上げ材が自由に選べて、デザイン的な選択の幅が広がります。

又、普通のリフォームの仕上げても決して仕上がりが悪いわけではないですが、既存の窓枠やドア等を残す場合に再塗装を行ったりしますが多少の違和感はあります。その点一から作るスケルトンリフォームは納まりも仕上がりもきれいに出来ます。

3)設備配管のやり替えが出来る

前述でもありましたが、ここは大事なポイントです。スケルトンでは床や壁をすべて取り外すので、配管の交換が比較的簡単に行えます。(但し、上下階を繋ぐ共有管の交換はできません。)古い給水管は金属製のものが多く、劣化が進むとサビや漏水の発生が起きます。

新規キッチン配管

上の写真の様に最近の配管は樹脂製の配管材なのでサビや劣化による漏水が改善され、寿命も30~40年は問題ないと考えられていますので安心です。

4)カビ結露防止断熱工事が出来る

断熱工事も大事な点です。古いマンションでは、断熱処理が悪く外壁側の部屋で結露が起きその結果カビが発生します。スケルトンではコンクリート壁が剥き出しになるので、比較的簡単に正確な断熱工事が出来ます。その為、結露防止効果が大変大きくなります。

ウレタン断熱材吹付け

当然断熱性能も向上するので、冬は暖かく、夏は冷房の効きが良くなります。更にスケルトンリフォームでは、上記の写真のようにウレタン吹き付断熱工事が可能な為に断熱材の厚さを少し薄くすることが可能で部屋がいくらか狭くならずに済みます。

3.スケルトンリフォーム費用の考え方

≪機器など見た目は同じ内容≫の①通常リフォームと②スケルトンリフォームを単純に比較すると費用の点でスケルトンリフォームが高くなります。

既存部分をなるべく生かした通常のリフォームでフルリフォームを行うと1㎡当たり約10万円くらいが標準費用です。例えば70㎡のお部屋では700万円です。但し、こうしたリフォームでは既存部分をなるべく使う為に壁部分はクロスを貼り換えるだけ、又、配管も交換しない事が多くこうした工費は含んでいません。

スケルトンリフォームの場合には『既存床壁天井等の解体撤去処分費と新規下地造作費が約2万円、断熱、配管工事が約1万円』で㎡単価は13万円になり、総費用は910万円になります。

但し、通常のリフォームで断熱工事や配管のやり替えを行った場合にはスケルトンに比べて作業性が悪いなどから配管交換、断熱共に工事単価が高くなります。正式な試算ではないですが、最終費用は大きく変わらないと想定できます。

上記のようにこのレベルの大規模リフォームを計画され、これから30年間を快適、安心に大きな工事無しに住むことがを考えると私はスケルトンリフォームは十分に検討の余地があると考えていますが、皆さまはどうお考えでしょうか?

≪お知らせ≫

リノベーションやリフォームをお考えの若い皆様向けにWebページ『Arikiriスタイルブック』も是非ご覧下さい。

2級建築士

一級管工事施工管理技士

マンションリフォームマネージャー

アリキリリフォーム株式会社

代表取締役 常田 豊

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